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【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-040-

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 電車が走り出す。夫人が、いつまでもこちらを見送る姿が去って行く。
「ねぇ、今何したの?」
 由利香ちゃんが尋ねた。
「あなたから……その“気”が出ているのを感じたから、こっちへ引っ張っただけ。今のおばあさまは間接リウマチを患われてた」
 レムリアは言った。彼女の“一瞬にしてその病状を知る”はこのように発揮される。先にも書いたように特異能力であり、医学的な説明は出来ない。しかし、内容ゆえに彼女は派遣先で憶せず用いる。医師達は彼女を不思議がるが、疑うことはないという。
「私から“気”?」
 由利香ちゃんは自分を指差した。まさかとばかり首をかしげる。
「うん、多分“勇気”」
 レムリアは笑って言った。
「そういうことか」
 由利香ちゃんは笑顔で応じた。
 下車駅に着く。規模の大きな駅で、JR線路の上をモノレールが南北に横切っている。
 家は歩いて10分もかからないという。改札を抜け、バスターミナルの上を覆うペデストリアン・デッキを横切り、商店街の一本裏を北へ向かう。
 するとなるほど、古くからあると感じさせる、「貸衣装」の看板のかかった店が目に入った。
 モルタル壁に瓦屋根の2階建て。木枠にガラスをはめ込んだ入り口引き戸を、ガラガラと開く。
 店内にはあちこちにマネキンやガラスケースが置かれ、和洋さまざまな衣装のサンプルがハンガーに下がってびっしり並んでいる。和服の小物は販売もしているようだ。奥手に2畳の畳と姿見。その姿見の脇にはウェディングドレスがスタンバイという感じで置かれている。どちらかと言うと呉服屋の造りである。居住エリアは一段高い左手奥方で、板張り廊下が続いている。
「おかあさんただいま」
 二人は店外でそのまま待機した。
 店の奥から、白髪交じりで頭髪を束ねただけ、という感じの女性が姿を見せる。
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(つづく)

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