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【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-042-

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 この手の“納得させるもの言い”はレムリアの得意とするところなのだが、この場に限っては母親の方が一枚上手だったようだ。
 かくしてレムリアが選んだのは、会社の受付嬢を思わせるスーツ姿に、本当にマジック用の、タネも仕掛けも設定可能なシルクハット。
 相原は断った。明日のショーは何もしないし、“たまたま従妹の娘が東京に来ただけ”。ちなみに、レムリアの言う“イマイチ甚だしい”問題の正体は、相手が子供達なので、できれば仕掛ける側も子供だけにしたい、という意味であることも承知。自分は単なる付き添い。
「ではありがたく頂戴いたします」
「いえ、このくらいしかできない私たちをお許しください。本日は娘に対し重ね重ね格別のお心配り、心より感謝申し上げます」
 和の謝意と返礼。レムリアは大過なくて本当に良かったと応じた。
 その後の段取りであるが、これ以上ない恐怖体験をした由利香ちゃんの精神安定のため、彼女はこのまま自宅で静養。病院への説明は二人で行くことにした。翌日は相原のクルマで迎えに来る事にし、頂戴した衣装はその時にと。
 辞する事にする。件の子供病院は駅に戻って別の線で3駅ばかり。
「それでは」
 二人は席を立つ。
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 財団名の後ろに、キリスト教の聖人の名を冠した小児疾患専門病院は、武蔵野の面影を残す森の中、他と隔絶され、教会と一体となってあった。欧州の田舎の病院を建物ごと移設した、そんな洒脱な外見であり、日本に多い四角四面のコンクリート建造物とは様相を異にした。
 正面入口に回ると閉鎖中。土曜日であり、外来の診療はないからか。待合室の照明も間引かれて薄暗く、人はまばら。
 休日入口からぐるりと受付へ周り、応対した女性に来意を告げる。到着したのは約束の5分前であり、二人の側に落ち度はない。
 しかし、そこから薄暗い待合で待たされる。
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(つづく)

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