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【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-043-

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 小一時間して、院長秘書と名乗るスーツ姿の女性が現れ、ようやく奥へ通される。
 案内されたのは院長室脇の応接室。遅れた理由は回診の時間が延びたとか。しかし。
「ああ、どうぞ」
 応接室の奥から出て来た白衣の院長……その肩書きの割には若いと言えるだろう、40歳代と見られる背の高い男は、二人を一瞥すると、別段詫びることもなく、応接室の巨大なソファに着座を勧めた。1時間待たせるは病院では常識であろうとも一般的にはさすがにちょっと失礼であって、レムリアは露骨に苛立ちを見せたが。
「本日はお忙しい中、お時間を頂戴してありがとうございます。私連絡いたしました相原香(かおる)の息子で学と申します。口頭だけでは失礼と存じますのでこちらをお納めください」
 相原はあくまで平身低頭で、就職先技術部門の名刺を渡した。この辺り会社の新人研修の成果であろうか。
「ああ、うん」
 院長は名刺を見もせず胸のポケットへ。一般に名刺交換と言うが、この場は一方通行のようだ。院長はさも当たり前のように自分の名刺は出さない。無いのかも知れないが。
 相原は間を取るように1回まばたきして。
「こちら従妹の姫子です。中学生ゆえご挨拶だけでご容赦ください」
「相原姫子です。本日はありがとうございます」
 レムリアは目を合わせることはせず、しかし尋常に一礼。
「まぁ座って」
 ラフな口調で勧められ、2人は着席。レムリアは両の手を交差させ腰元へ、相原は両拳を引き据えて腿の上。
「マジックショーと」
 若き院長はどかっと自席に腰を下ろし、ひとこと言った。
 興味津々という風には見えない。お義理で事務的な対応というか、意思の有無と注意事項だけ述べに来た。そんな意図を感じる。
 要するに“何をするだけ知りたい。あとはどうでもいい”。
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(つづく)

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