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【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-044-

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 その気配は相原も如実に感じているようである。レムリアには尚もって濃厚。
「ええそうです」
 レムリアはまず頷き、
「実際の演目は私と、本日都合で参っていませんが、もう一人の女子中学生との二人で、こんな感じで」
 レムリアは相原の右の拳を指差した。
 相原は拳を開いた。
 万年筆。
 若き院長は現れた万年筆に目をやり、一瞬置いてその目を見開くと、己の白衣の内側を見つめた。
「スリみたいだな」
 乾いた笑い。レムリアは一旦唇を噛み、解放。
 次いで万年筆を返し、目を伏せて。
「失礼しました。こんな感じで、物が現れるとか、物が移動するとか、そういった類のマジックをします。音や光、動物等は用いません。お菓子を出してプレゼント、というパターンがあるかと思いますが、その際には氷砂糖を紙に包んだ物にする予定です」
 レムリアが相原の手元を指さし続けるので、相原は左右の手を交互に握ったり開いたり。
 開くたびに、手からはお菓子が現れてはこぼれ落ちる。無関心院長も、さすがにこれには目が大きくなったようで。
「ほう……これは鮮やかだな」
「特段シナリオめいた物は作りません。即興で、子供達からリクエストが有ればそれに応えよう。そんな感じで考えております。時間的には30分」
 レムリアは言うと、出した菓子を回収してウェストポーチに戻した。
「以上雑駁な概要ですがいかがでしょう」
「まぁいいだろ。じゃぁ明日の3時で。おーい堺君」
 若き院長は言うと、先ほど案内してくれた女性を呼び、自分は早々に席を立って院長室へ戻った。
 要するに“用が済んだら帰れ”。
 えっもう?と、誰もが思うであろう。そのあまりの早さには二人とも唖然である。2時間待って診察3分……主に総合病院の対応を揶揄する言葉だが、それほどではないにせよ、こういうことをされると、身体的に楽とは言えないお年寄りや妊婦さんが、果たしてどんな気持ちか、想像が付こうというもの。
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(つづく)

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