« 【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-050- | トップページ | 【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-052- »

【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-051-

←前へ次へ→
.
「何かすごそうなんですけど」
 レムリアはクルマから降りながら、恐る恐るといった感じで言った。
「ここはね、山を丸ごと買い取って、そのあちこちに古い建物を移設して、中を個室にしてあるの」
 母親は言うと、意気揚々と、旅館のような建物の受付へ向かった。
 相原がクルマに施錠する。レムリアはその袖口をつんつん引っ張った。
「ん?」
「あの……私……こういう高級なのは……」
「抵抗ある?」
 頷く。理由は、彼女が救助隊として赴く土地は、貧困と飢餓にあえいでいるところが多い。なのにこういうところで飲食というのは、それこそ自分の行為が“お義理な施し”になる気がして、強い拒否感がある。
 だから相原の提示した昼飯三択の答えもラーメンなのである。
「ごめんな。母親そういうこと知らないからな。お姫様に対して目一杯のおもてなしのつもりなんだよ。まぁ、今回限りと言うことで、付き合ってやって」
「判った」
 レムリアは小さく頷く。但し、気乗りしていない表情は隠せない。
 先行した母親が、受付建て屋から振り返って二人を呼ぶ。
P72006881
 受付で少し待った後、仲居さんに先導されて沢沿いの飛び石を歩いて行く。通されたのは滝のそばにある平屋。2部屋あり、片方には既に商用接待と思われる連中がメートル上がっていい調子だ。
 靴を脱いで上がり込む。6畳タタミに掘りごたつの純和室。
 3人が座るのを待って仲居さんが正座で一礼し、挨拶。続いて。
「本日のおすすめでございます」
 メニューを開いて見せる。先付け、お造り……と続く和風のコース料理である。値段的には3ランクほど有るが、どれであれラーメンが何日分も食べられる金額であることに変わりはない。
 レムリアの肩がびくりと震え、その目が見開かれるのを相原は見過ごさなかった。
.
(つづく)

|

« 【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-050- | トップページ | 【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-052- »

小説」カテゴリの記事

小説・魔法少女レムリアシリーズ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-051-:

« 【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-050- | トップページ | 【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-052- »