« 【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-048- | トップページ | 【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-049- »

【恋の小話】ポラリス(5)

←前へ次へ→
.
「という説の説明なんじゃね?最新がコレで、他に三連会合とかあるんだけどさ。で、これはオレの私見なんだけれど、この木星チラリだと、3月20日なんだよ。星占いって3月21日がスタートだろ。これ農作業開始の合図なんだけどさ。当時も暦の始めがそこだった可能性が高いわけだよ。新年の始まり、そんなベストタイミングで王の星がきらり」
 オレは佐藤の話を感心して聞いてしまった。
 聖書ネタ、星占いネタ、ギリシャ神話、イエスの誕生日が間違ってた話、西暦にゼロ年はないこと。
 いろんなこといっぱい絡んでくる。
「おもしれえな」
 オレはぼそっと言った。
「だろ?だろ!?ドコに何座があって何等星。それを無理くり覚えるのは勉強って言うんだよ。興味持って調べて考えるのとは全然違う」
 佐藤は目をキラキラさせて喋った。内容の高度さ、その考え方の硬派さ。
 なのに何でこいつ女の子にモテないんだろう。オレがその時思ったのはそんなこと。
「どうした?」
「別に……ああ、DVDでわかんないとこあったら訊いていいか?」
「もちろん」
 そして……やりとりして判ったこと。歌詞やドラマの星見てちゅっちゅって天文学バカにしてないか。
 例えば天体望遠鏡は、今いる緯度に合わせて角度を調整し、北極星に合わせることで経度を調整し、地球の自転に合わせて星を追いかける。よく考えれば当たり前だ。すなわち、自分が地球のどこにいるか把握し、正しく南北を合わせないと、地球の回転と同じ方向に動かせない。
 自分が、地球のどこにいるか。
 普段意識しないことを意識する。
 すると、地球の動きに望遠鏡が完全にシンクロする。
「目の前の望遠鏡が地球と一緒に動いてるんだなってね。ちょっと感動した」
 オレは目の前のさくらちゃんに言った。
 プラネタリウムが入っているのは超高層のビルのてっぺん。ここは見終わって地下の喫茶店。
.
(次回・最終回)

|

« 【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-048- | トップページ | 【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-049- »

小説」カテゴリの記事

小説・恋の小話」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【恋の小話】ポラリス(5):

« 【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-048- | トップページ | 【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-049- »