【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-062-
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レムリアは構わず、とどめの一撃。
「あなたはうそつきです。あなたは、あなたの言うキノコと気功のセットは、彼女の状態へ対する作用はおろか、基本的な効能さえも説明することが出来ない。自分で自分の能書きを裏書き出来ないようなものを売りつけるな」
その口調は13の娘から発せられる物ではない。さながらインチキを叱る教師である。
「小娘に何が判る。専門家でもないのに」
果たして営業マン氏は言いながらスーツの内ポケットを探る。なお、こういう方向で人格攻撃に移るのは、議論では負けたと自ら認めたオトナが取る、特徴的行動。
「そっくりお返しします。えーと、重病であればあるほど、医学に対する限界感、失望感から、非医学的な手段に強い興味を示す。特に年寄りは神仏にすがるという観点からの関連性からも霊的なというフレーズを盛り込むと落としやすい。……ほう、医学的なツッコミを受けた時には私に電話せよか」
レムリアはパンフレットとは別の白い紙を広げた。
営業マン氏は内ポケットから出した携帯電話を取り落とし、真っ青な顔でレムリアを見た。
ついでカバンの口をガバッと広げて中をかき回す。
「いつの間に!」
怒りをあらわにレムリアに手を伸ばす。
「返せっ!」
それはすなわち全てが嘘である証明。
「お母様これっ!」
「え?え?」
レムリアは紙を丸めて投げる振りをした。
営業マンが後ろの母親を向く。
その刹那。
レムリアは人差し指を自らの唇に当てる。それは静かにして欲しい時の“しーっ”の動作に似て。
「(意図したこと形をなさず)」
日本語にすると、そんな意味になる文言を小さく口にし、指先を営業マンに向け、フッと吹く。
「……あれ?」
営業マンの動きが止まった。
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(つづく)
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