« 【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-064- | トップページ | 【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-066- »

【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-065-

←前へ次へ→
.
 母親の表情が沈んだ。
「現在の医学では、限界です」
 レムリアは躊躇せずきっぱり言った、但し、その手は由利香ちゃんの手を強く握った。
 由利香ちゃんの鼓動の乱れが、手指を介して伝わってくる。その手をレムリアは両の手で包む。
「現在では、です。最新情報的なことを申し上げますと、まずHib対策自体は良いワクチンが開発され、有効であることが判っています。これは予防という方面で活用されます(※1)。一方視力の回復ですが、これは細胞再生というバイオ面(※2)、電気信号を神経細胞に流すという電子技術面双方から、アプローチが続けられています。時間こそ掛かるでしょうが、不可能という結論を私は知りません」
「そうですか……では待つしかないと。気功はやはり何の作用もないんですね?」
「えーでも姫ちゃんにやってもらうとほわ~んってなるけど?」
 由利香ちゃんはレムリアと手のひらを合わせる。
「それについては解釈が難しいのですが」
 レムリアは前置きして。
「気功というのは、体内を流れる何らかのエネルギー……今は霊的な流れとなっていますが、このバランスを取る物だとこの人から聞きました。流れの方向をどちらかに傾けず、プラスマイナスゼロに保つ」
 “この人”と指差したのは相原である。
「その結果として、躁でもなく鬱でもない、精神的な安定が得られます。その次に身体的な不満点が解消されて行く。これが大まかな流れでしょうか。以上がまず一つ。
 その一方で、不治の病が何かの弾みで治ったという例も実際に存在します。そして多くの場合、治った人は、臨死からの回帰や形而上的存在との邂逅、人命救助などの超絶的な経験をしており、それによって人格や性格、精神状態に変化を来し、良く聞く話として“病気なんかどうでも良くなっちゃった”状態になります。すると逆に病気が治り始めるという経過を辿っています。この場合、不治と言われたものが治ったのですから、それこそ自然治癒力が極めて活性化したと解釈できます。ある意味ショック療法かも知れません。
 この二つの事実から言えるのは、精神の状態が肉体の状態を変えるということです。逆に病気になる事例が神経性胃炎です」
.
(つづく)

|

« 【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-064- | トップページ | 【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-066- »

小説」カテゴリの記事

小説・魔法少女レムリアシリーズ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-065-:

« 【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-064- | トップページ | 【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-066- »