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【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-070-

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 堺さんを待ち、6階へ。
 エレベータから下りる。こちらも引き続き静かなフロア。
 小児病棟だからといって、いつも賑やかとは限らないであろう。ただ、“楽しさ”の有無の違いは歴然だ。
「子供たちいるの?」
 由利香ちゃんが呟いたほど。
 レクリエーションルームへ歩く。その道中で、堺さんがようやく由利香ちゃんの目に気づいたらしく、相原に耳打ちして確認を取った。レムリアがアシストしているからやっと判ったという。“そういう風に見えなかった”そうだ。
「失礼ですが、マジックの助手ってどういう風に……」
「そこが彼女のマジックなんですよ」
 相原はそれだけ言った。
 レクリエーションルームに到着する。
 ドアの前で止まり、外から伺う中は静かである。誰もいないかと思うほどだ。特に、肝心な病の少女はどうか。やはり昨日ムリにでも会っておいた方が良かったか。レムリアの表情にはやや不安の色。
 ともあれ。
 レムリアはウェストポーチを外して相原に渡した。フッと小さく息をし、由利香ちゃんを促し、用意してきたシルクハットを、二人してかぶった。
 ドアを、開く。
 すると、まるで図ったかのように拍手の嵐が一行を迎える。ステージには色とりどりの折り紙やらモールやらで飾り付けがされ、スポットライトも用意。客席部分にはパイプ椅子に座った子供達の他、女性看護師に伴われ、車いすや移動ベッドの子供達の姿もある。
 更に、カメラマンとおぼしき頭の薄い中年男性が現れ、フラッシュが瞳を射る。
 レムリアは慌てて由利香ちゃんの目を腕でカバーする。彼女の瞳孔は開いたままの状態だからである。傷付いているのは伝達神経系であり、網膜自体は健全である可能性が高い。ならば、強い光で網膜痛める必要はどこにもない。なお、彼女が常時サングラスをしているのはそういう意図である。
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(つづく)

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