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【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-071-

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 これには堺さんが動いてくれた。カメラマンに説明する。
「すいません。新聞記者さんだそうです。広報部が……」
 堺さんは戻ってきて言った。
 それは病院が意図して、この企画を喧伝に利用しようとしていることを意味する。
 いや、ひょっとして、そうできるから認めたのではないか?
 レムリアは眉をひそめた。なお、この間に単なる運転手に過ぎない相原は、客席後部へ回り、腕組んで直立し、オトナの観客に加わった。オトナの観客には他に、キリスト教系の病院ということもあり、装束をまとったシスターが2名見え、相原と会釈。
 院長と婦長はいない。
 ステージ脇に視線を戻す。
「私は病院の宣伝に来たんでしょうか、子供達のために来たんでしょうか」
 レムリアはシルクハットを脱ぎ、天地をくるりとひっくり返した。
 客席に目を走らせる。冒頭からのトラブルに、子供達は不安な表情。
「すいませんごめんなさい」
 堺さんが頭を下げる。
 そのタイミングで、レムリアは、シルクハットをフリスビーよろしく、客席へ向けて投げた。
 それは怒りにまかせてモノを投げた……ようにも見えたが。
 シルクハットからは、回転の遠心力に乗り、ひらひら舞う物が周囲に振りまかれた。
 紙を折り曲げてプロペラ状にした“カミコプター”である。くるくる回転しながら子供達の間へ落ちて行く。
 子供達からわぁと声が上がり、それを取ろうと手を伸ばす。シルクハットは客席後部に達し、相原がその手に収め、自分の頭の上にひょいと載せた。
 虚を突かれた記者らオトナ達は呆然。
「どうも皆さんこんにちは。マジシャンの勉強中の姫子と、こっちは由利香です。今日は少しの間ですが、どうぞ楽しんで行ってください」
 レムリアはカメラマンを、そして堺さんをも無視するかのように言った。
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(つづく)

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