« 【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-071- | トップページ | 【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-073- »

【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-072-

←前へ次へ→
.
 ショーの開幕である。オトナたちのくだらない駆け引きなど、どうでもいいとばかりに。
 子供達から再度拍手が沸き上がる。
 まず由利香ちゃんの手のひらから、レムリア自身の手のひらから、ぬいぐるみの付いたキーホルダーをを次々出す。握って開いただけで出てくるので、マジックとしては極めて鮮やかだ。子供達の声は楽しそうというより驚きに近く、それはオトナ達についても、身を乗り出して覗き込むという動作から、同様に驚きを与えているようだ。
 カメラマンの動きがにわかに慌ただしくなる。とにかくタネを仕込んでいる風は一切無いのだ。“その瞬間”を捉えようという、カメラマンとしての本質的欲求が生じてもおかしくない。
 しかしカメラマンが幾ら二人を先回りし、レンズを向けても、その瞬間は撮れない。レムリアにレンズを向けたら由利香ちゃんが出す番だったり、シャッターを切るタイミングが微妙にずれたり。
 ことごとく、決定的瞬間をカメラに収めることが出来ない。
 二人はカメラマンを煙に巻くように椅子の間を歩きながら、ぬいぐるみを出しては女の子に渡した。
 一通りに行き渡る。
 こうなると我慢ならないのが男の子である。一人が立って手を差し出す。なにかちょうだい。
「あらボクも欲しいの?」
「うん」
「そうか。じゃぁ、由利香ちゃん来て」
 レムリアは由利香ちゃんと二人、男の子の前に自分たちの拳を並べる。
「さぁこの4つから選んで」
 まず由利香ちゃんの右手。
開いたらバスのミニカー……のボディだけ。
「なんだよこれぇ」
 不機嫌そうな膨れ面で今度は由利香ちゃんの左手。そっちは車輪があるだけ。
 じゃあとばかりにこじあけたレムリアの手には、座席の部分と窓ガラス。
「全部外れじゃんよ!」
「アタリはぼくのポケット」
.
(つづく)

|

« 【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-071- | トップページ | 【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-073- »

小説」カテゴリの記事

小説・魔法少女レムリアシリーズ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-072-:

« 【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-071- | トップページ | 【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-073- »