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【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-077-

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「どうぞ、お姫様」
 レムリアはプラチナのベースにジュエルを散りばめた王女の徴(しるし)を、ベッドの少女に戴冠。
 少女はそれを見てニコニコしていたが、載せられた重みに気が付き、その手を頭の上へ伸ばそうとする。
 バランスを崩しそうになる。一緒にいた看護師が手を伸ばし、触れた感触に目を剥く。
「あなたこれは……」
「私も女の子のなれの果てですから。女の子なら。一度は」
 プリンセス……それは女の子の多くが抱く、“一生に一度は……”という夢。
 一生に一度は。
 この時、後部のシスター二人が何事か気付いたように言葉を交わす。
 そして、傍らで腕組みしていた相原に。
「あの、失礼ですが、彼女の本名は……いえ、あの方の本当のお名前はメディア様と申されるのでは……」
 シスターは真剣なまなざし。
 どうしてそのような質問に至ったかの経緯は簡単である。医療ボランティアの派遣先で受け皿となるスタッフ・組織には、現地の宗教関係者が関わる場合が多いからだ。
 魔法のようなマジックを操り、子ども達を笑顔に変える、王女の素性を持つ娘。
 目立たないわけがない。しかも彼女のなしたことと、その結果を見た時、神の道を選んだ人々が何を感じるか。
 相原はどう返答しようかと一瞬考えた。
 その時だった。
 ルーム入り口のドアがガラリと開かれる。
 内部のイベントは周知であるから、その開け方は無遠慮と言える。
 婦長であった。
 子ども達の笑顔が一気にしぼんだ。
「はいそこまでです。騒々しい。こんなに騒ぐとは聞いてませんよ」
 氷の剣を突き立てたような、怜悧な物言い。
 レムリアは婦長に面と向かった。
「まだ時間には早いはずですが?それにこのくらいなら別段うるさいとは……」
「いいえ。遠くまで聞こえます。来られない子がこの騒ぎを聞いたらどう思うでしょう。神様は見ておいでですよ」
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(つづく)

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