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【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-086-

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「まいか姉ちゃんが院長や婦長と喋ってても笑ったの見たことない。でも、このお姉ちゃんがティアラを出したらまいか姉ちゃん笑った」
 子ども達が指を差したティアラに、婦長の目線が落ちる。
 それを見た相原がスッとティアラを取る。婦長は手元をびくりと震わせ、ごまかすように腹部に戻す。
「院長」
 と、高木看護師。
 院長は不機嫌な表情のまま、高木看護師に目を向ける。
「何かね」
「意識が回復していないこともありますし、ICUで様子を……」
「指図されなくても判っている!」
 院長は声音に任せて語尾をねじ伏せ、ふて腐れたようにベッドを自ら動かし、婦長と共にレクリエーションルームを出て行く。
 事実上の逃走である。
「あ、待ってください」
 看護師達が後を追う。レムリアにウィンクしたり、小さくVサインを見せながら。
 レムリアは手を振って彼女らに応じ、ベッドを見送ると、子ども達を振り返った。
「みんな今日はどうもありがとう。みんなのおかげで、まいかお姉ちゃんは、助かるでしょう」
 いえ~い、と拍手。
「でもね、私はもういられません。帰れって言うから帰ります」
 ぶー、と大文句。
「だって私がいたら、みんな院長と婦長泣かせるでしょ?」
 ウィンクして言うと、子ども達は笑った。
「冗談はさておきね。30分って約束だったから、これで帰ります。また呼んでね。今日は楽しかった」
 頭を下げるレムリアと由利香ちゃんに、子ども達は拍手した。
 辞することにする。子ども達の方はシスターに任せ、堺さんがエントランスまで送ってくれることになった。
 レムリアはシスターにティアラを託した。
 重量と輝きから、シスターはその可能性にすぐ気が付いたようだ。
「あなたこれは……本物ではありませんか?」
「え?どうしてですか」
 とりあえずとぼける。というか、自らそうです言うものでもあるまい。
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(つづく)

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