【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-088-
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「今は集中治療室で処置をされているはずです。ご一緒に……ああ大丈夫ですか?」
「良かった……」
母親はへたり込んでしまった。
と、ショルダーバッグからはみ出ていた雑誌が落ち、雑誌の間から印刷用紙が数枚バサバサと床に散る。
シスターとカメラマンがしゃがみ込んで拾いに掛かる。
「ああ、すみません」
母親は涙ながらに頭を下げる。
「ああ、そのままで」
カメラマンは母親を制し、雑誌を手にし、そのまま視線が固まった。
「あれ?シスターこの子って」
ページを広げて見せる。
「やはり、そうでしたか」
シスターはゆっくり頷いた。
母親が涙を拭い、
「それは、その子は、うちの娘が会いたがっていたお姫様です。無理とは判っていたんですが、ひょっとしたらと思って調べました。そしたら、医療ボランティアを支援している宗教団体の間では、有名であることが判りました。それで、こちらの教会にも伺ってみようと思ってたんです」
母親は印刷用紙の方をシスターに見せた。
それはレムリアの写真。手のひらにお菓子を持って、その両脇で子ども達が瞳を輝かせて。支援団体のホームページに載っていた、ソマリアの派遣先でのスナップ。
「それさっきの手品のお姉ちゃんじゃん」
子ども達から声が上がった。
「え?」
母親が目を見開く。
「そうだよ。それさっきのお姉ちゃんだよ」
「おばちゃん。そのお姉ちゃんならさっきまでいたよ」
母親は目をしばたたく。理解を超えた事態に困惑の表情。
その時。
「おお、これじゃん」
カメラマン氏が雑誌の別のページを広げた。
それはティアラを身につけ、着飾った姿のレムリアの写真。
シスターは微笑んだ。その手にしたティアラを持ち、カメラマン氏の元へ。
シスターが手にしたティアラと、写真のティアラを、突き合わせる。
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(つづく)
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