【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-089-
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「同じものの、ようですね」
シスターは、言った。
「じゃぁなに?あのお姉ちゃんお姫様……」
「それ本物ってこと?ティアラ本物ってこと?本物をまいか姉ちゃんにあげたの?」
シスターは、子ども達の問いに、都度、頷いて見せた。
そして、まいかちゃんの母親に目を向ける。
「確かに、この雑誌の彼女、メディア王女が、ついさっきまで、ここにおいでになった、と考えるべきであるようです」
「え?……」
「彼女は今回、ボランティアのマジックショーをやるということで、もう一人、目の不自由な少女とここに見えました。そしてそれはそれは鮮やかなマジックを披露して頂きました。こうやって子ども達が興奮するくらいに。そして、そこでお嬢さんに緊急事態が発生しました。でも、彼女は慌てず、看護師さん達と心臓マッサージを行い、緊急事態は回避されました。
彼女が、彼女であるならば、その全てはそれで当たり前であると、今は理解することが出来ます。
彼女は、彼女のゆえに私たちの間に知られています。
彼女は王女メディア・ボレアリス・アルフェラッツ。彼女が子供達に笑顔をもたらした時、それは奇跡の始まる合図。だからそう、そのページもこう書いてあるはずです。
ミラクル・プリンセス、と」
「ミラクル……」
「奇跡か、ああ、そうかも知れんな」
カメラマン氏が、エレベータの方向を見て呟いた。
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-9-
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相原が受付で駐車チケットをもらい、ジュースのペットボトルを抱えてクルマに戻ると、少女2人はシルクハットを手に、おしゃべりしながら待っていた。
「待たせたね」
「何か言われた?」
「別に。はいどうぞ」
ジュースを後席の二人に持たせる。
「安月給の安駄賃?」
「いいえ単純に喉が乾いたに相違ないと思ったから」
由利香ちゃんを送って行く。
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(つづく)
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