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【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-092-

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「大丈夫。身代わりにティアラ置いてきたから。あれは私たちからのプレゼントだから」
 レムリアは言い、シートベルトを外して由利香ちゃんに寄り添い、その肩に腕を回し、手を握った。
「ああ、あなたにこれされるの好き。暴れていたのが静かになって行くような……」
「同じ事は、既にあなたも誰かにしてあげることが出来るよ」
「えっ?」
「保証する。今度、ためしてみてみて」
「わかった。ためしてみるみる」
「動くぞなもし」
 相原は言った。
 クルマが渋滞を抜ける。
 そこから由利香ちゃん宅まではわけもなかった。路上駐車して相原が車中待機し、レムリアが1人で彼女を送る。
 店に入って着替えて出てくる。頂戴した衣装の入った紙袋を手に、玄関先で母親と少し喋る。また来るねという話にしたので、別れの挨拶は深刻にならない。
 手を振り、頭を下げあい、次を約束する。相原もクルマから顔だけ出して頭を下げる。
 レムリアは笑顔で別れてきた。
 相原がエンジンを始動する。あとは帰るだけである。明日は月曜であるから、相原は出勤、レムリアも自宅に戻り、時差ボケ直してフリースクールだ。このため、予定では深夜24時に彼女を迎えに船が来る。それまでに夕食を済ませ、太陽電池充電器やらガシャガシャした物を持たせて……。
 しかし、ナビゲーターシートに身を滑り込ませたレムリアの表情は、こわばっていた。
「走ってよ」
「ん?」
「なるべく速く。なるべく遠く」
「ん」
 相原はただそう答え、財布からETCのカードを取り出してリーダにセットすると、高速道路へと進路を取った。
「激しい音楽ない?いつもあなたが聞いてるヤツ」
 CDを回す。イタリア製ダンスサウンド。ビートの根幹を支配する重低音に、高音を多用したシンセサイザーのメロディライン。欧州人種の体格を存分に生かした、腰の据わったヴォーカルが重畳され、超高速で突き進んで行く。
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(つづく)

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