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【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-109-

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 心理精神が、身体の状態に影響を与えるなら、そのような、恐怖にさいなまれる精神状態が、病気に対して良い作用をもたらすわけが無い。
 一国の王女を呼びつけてくれという、端的には無茶至極の要求も、必死さの表れとするなら、むしろ当然。
 彼女としては、それなら可能性がある、と言われたのだから。
「今日は、私のことを呼んでくれて、ありがとう」
 まいかちゃんが少し落ち着いたところで、レムリアは囁いた。
「聞こえたよ。私に魔法を掛けて欲しいって。だから、私飛んで来た。この船で飛んで来た。私のこと必要と思ってくれて、とっても嬉しいよ」
「まいかも嬉しい……」
 まいかちゃんは小さく言った。
「夢じゃないよね、これは、夢じゃないよね」
 尋ねるまいかちゃんにレムリアは頷く。何度も頷く。
「どこにも行かないよね」
「どこにも行かない。ずっといるよ」
「もう終わりじゃないよね」
「あなたが望むなら、ずっと飛ぶよ」
 全て肯定する。
「良かった……」
 まいかちゃんが、一応の、と書けるか、安堵を含んだ笑みを浮かべる。
 その表情には憔悴が見られる。精神を鼓舞し続けた事による疲労、間断なく襲ってくる恐怖がもたらす心理的ダメージの蓄積、明らかな寝不足。
「ずっと、ずっと、あなたと飛んでいたい!」
 思いのたけをぶつけるようなその言葉に、レムリアはまいかちゃんを抱きしめ、そして抱き上げた。
 軽い身体。病気との闘いで文字通りすり減った、何という軽い身体。
 神様、恨みますよ。
「大丈夫、あなたが望むなら、ずっとこのまま」
 レムリアは耳元で囁き、まいかちゃんを抱きかかえたまま、船の針路を南方に取った。 加速させ、その速度をPSCの許容上限に持って行く。列島の海岸線が遥か後方へと去り、プラネタリウムの早送りのように、星空が目に見えて動く。
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(つづく)

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