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【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-110-

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 非常な高速。
「どこへ」
「月の架け橋を眺めに」
「え?」
「あの赤い星が、見上げる位置に来たら到着。あの星は、月が橋を架ける位置を教えてくれる」
「星が教えてくれるの?」
「そう」
 とはいえそれは魔法ではない。あの星、とレムリアが指差したのはさそり座の主星、赤く明るいアンタレスである。それが頭上に来るということは、赤道近くまで移動したことを意味する。
 次第に空気が暖かくなるのを感じる。
 さそりが天頂を這う頃、レムリアは船の速度と高度を落とす。
 昼間であれば、珊瑚礁特有のブルーグリーンの海原であり、緑に覆われた山が双つ、並んでいるように見えたであろう。
 しかし今の時間、その二つの山の間に、月を背にして目を向けると。
「うわ……」
 まいかちゃんが、あんぐりと口を開けた。
それは確かに“架け橋”である。淡い白色を呈するアーチがぼんやりと空中にあり、二つの島をちょうど繋ぐような形になっている。
 ただ、その淡いアーチは、よく見ると、いや時々、色が付いて見える事がある。
 その色の付き方は。
「これ……ひょっとして、虹?」
 まいかちゃんが言った。
「そう。月明かりの虹、月虹(げっこう)、英語でムーンボウ(moonbow)」
「ムーンボウ……」
 まいかちゃんは響きを楽しむかのように、その名を口にした。
「なんて淡くて、はかなくて……きれい……」
 まいかちゃんは呟き、引き寄せられるように自らレムリアの腕を離れ、降り立ち、舳先へ歩いた。
 そのまま見入る。レムリアはそんな彼女を見つめながら、次に行く場所を考える。船速が船速ゆえ、対象は全地球と置いて良い。ちなみに、この船を用いる方のレムリアの活動は、彼女の魔法が最大能力となる時期を狙い、満月に行う。だから逆に、月によるこの種の現象がどこで見られるか、レムリアはそれなりに把握している。
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(つづく)

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