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【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-111-

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 但し。
「すごい素敵……あ、あ、消えちゃう」
 まいかちゃんは船から身を乗り出した。レムリアは背後の月に目を向け、その姿が雲に隠され始めたと知った。
 月の光は太陽に比べ非常に弱いため、月によるこの種の光学現象は、非常に不安定だ。
 そして、今のまいかちゃんに“消える”という現象はあまりいい影響を与えるとは思わない。加えてレムリアの変身能力は月明かりの中だけ有効。月が隠されたら、この姫君の変身も消えてしまう。
 それは夢から覚めるようなもの。できれば避けたい。
「また別の時に来ましょう。姫を待ってくれている場所は他にもあります。次は光のカーテンです」
 レムリアは言い、船を浮上させつつ、北へ動かし始めた。
「光のカーテン?」
「そうです。今度はあの星が真上に来たらお知らせ下さい。あの星は光のカーテンが現れる位置を示します」
 あの星、と今度レムリアが指差したのは北極星である。それが真上に来るということは、ほぼ北極に達することを意味する。
 層状に広がる薄雲を突き抜け上へ出る。雲自体が水面であるかのように、船が高速で突っ走る。空気の温度が下がるのに応じ、船体を包む金色の粒子が増加する。ちなみに、この粒子の圧力を一種のエアカーテンとして働かせ、甲板上の気圧や温度をコントロールしている。
 天空の星々がぐいぐいという勢いでダイナミックに動く。そして、雲による海の彼方には、金色の月。
「真上ですよ」
 それを聞いてレムリアは船の速度を落とした。
 下へ降り、見える地上は白い平原である。但し針葉樹が所々に森をなし、北極海氷ではなく、ツンドラ領域であると知れる。
 レムリアはアラスカに来ていると承知している。
 周囲100キロほど人家はないはずだ。見られる心配はないので、船の高度を雪原近くまで一気に下げる。
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(つづく)

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