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【恋の小話】星の生まれる場所(9)

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 目尻の小雨がどしゃ降りになったのでその間荷造り。アンプをキャリーバッグの上に載せ、電気ケーブル共で軽く巻いて固定。
「明日からは自転車の荷物巻きに使うゴムのアレで巻いてらっしゃい」
 頷くだけで声にならず。
「急にすいません……」
 テレパシー使える訳じゃ無いが、新入社員の反応なんかと照らし合わせると涙の背景、抱え込んできたことの内容は想像つく。要するに今まで何でも一人で一人でだったので、伸びてきた手に不安な気持ちが解けて、というとこだろう。
 気付かぬふりして頬行く通り雨の過ぎるを待つ。
「あの……」
「何も言わなくて良し。送って行く必要あるか?」
 彼女は首を横に振った。
 ならばとキャリーバッグをしっかり握らせる。
 ネット上でSNS何かやってればフォローするぞと伝えたら、アカウントを教えてくれた。その場で相互フォローする。
 彼女のフォロー数“2”。
「歌手として、のアカウントなんです」
 もう一つはたい焼き屋の公式アカウントだった。
 つまり実質僕が1番。
「ほんっとうに始めたばっかりなんだね」
「はい」
 当該ライブハウスもフォローさせる。で、後は頑張んな、なんだが、ライブハウスとのそれは社会人としての“契約”だ。

 そういう経緯でライブハウスとの契約に付き合う。前払いするお金の有無、ドタキャン等違約金の取り扱い、ギャランティ。チケット販売。
「本当に関係者の方じゃ無いんですか?」
 ハウス店長氏は訝しがって僕に訊いた。
「単なる通りすがりの行きがかりです。まぁ情熱に絆されたとでも解釈下さい」
 皮算用では観客100。
 20分ずつ5人のプログラム。ダンドリ含めて全体で120分。即ち従前の5曲は1曲4分以内に収める要あり。以下自由。従ってお喋り……いわゆるMCを挟むなら挟めだし、チケットのノルマも基本は20枚ということになる。チケットに関しペナルティがないのは前述の通りだが、“売り上げ”は当然今後の活動に影響してこよう。
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(つづく)

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