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【恋の小話】星の川辺で-5-

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「お、おう。元気な姿が見られたとかタウン誌にあったな」
「よかった。生き延びた妙(たえ)なる命よあるがまま」
 彼女は五七五で言うと、先の短冊の封を切り、ポケットから筆ペンを出して、以上二句一首を書き留めた。
「スマホ欲しいなぁ」
 筆ペン戻して一言。まぁ、アレに書いて保存するのが手っ取り早い。
「でも中学生じゃムリだろな」
「ごめんね付き合わせたみたいで」
「別に。面白いし」
「ホントに?」
 くるり振り向き、両手パチンと鳴らして、彼女は訊いてきた。
「ああ」
 頷くが覗き込まれたまま。
 理由を述べよってか。
「君多分、目に付いたもので思いついたこと話してるだろ。だから話題がぽんぽん飛ぶ。そこが面白い」
「すご~い。判っちゃった。テレパシーみたい」
 見てりゃ判るって。
 で、気が付けばもう元の向きに顔を戻し、しゃがみ込んで流れや岸辺を眺めている。何か探しているようにも見える。ちなみに遊歩道はシロツメクサ……クローバーが一杯。
 そこに女の子が座り込んでるのは絵になるのだが、そのはずなのだが。
“うんこ座り”なのだ。ある意味女の子っぽいの極地なのだが女の子っぽさ皆無とも言える。
 と。分析していて気付く。オレどうしてこの娘の一挙手一投足追いかけ、心理分析なんか試みてるんだろう。
「えっち!」
 突然振り返って指摘される。
「な、なんだよ」
「お尻見てたでしょ」
 無茶苦茶。ただ、見てたのは確かだ。尻じゃないが。
「胸と尻ばかり見てると思った?」
 反射的に言ったのはそんなこと。
 すると彼女はふっと真剣なまなざしを見せ、こっちを向いて立ち上がった。
 しゃがんでいたのでシワの寄ったスカート、緩んだスカーフ。されどセーラー服。
 幼いが、美少女ってわけではないが要は地味。
 三つ編みも単に“面倒くさい”から。そんな気がする。
 すっぴん、なのだ。
.
(つづく)

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