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【魔法少女レムリアシリーズ】Baby Face-05-

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 ネコが待ってましたとばかりにトトトと走って行き、母親の足のすき間からリビングへするり。
「学」
 母親は、手招きした。
 そこで用件を口にしない辺り、彼女に関係あることで、彼女に聞かれたくないこと。
 ただ、彼女自身は普通に入浴しているわけで、病気の類では無い。深刻なのは心理面。
 相原学はリビングに向かった。
 中に入ると、母親はホットカーペット上に設置されたコタツの脇に正座し。
「座りなさい」
 指を出して“ここ”と指示。
「ほい」
 相原学は母親と相対して正座した。ネコがエサ欲しさであろうが、すり寄ってきたので、そのまま膝の上に乗せる。
「説教かい?」
 相原学は正座して膝突き合わせ……説教食らった幼き日を思い出しつつ切り出した。
 母親すらも言い出しにくい、そんな気がしたから。
「彼女は生理だ」
 対して、母親は前置きせず婉曲にするでもなく、いきなり言った。
「は……」
 相原学は小さく声を出し、少し驚いたようで目を丸くし、程なくまばたきし、ゆっくり頷いた。
「なるほど」
「初めてらしい。しかもそれだけでも結構ショックのはずなのに、他人の家で、男であるあんたの前でそうなったことに、かなり強いショックを覚えている」
「……そりゃ」
「知識はあるようだね」
「看護師だからねぇ」
「いや、お前がだよ」
「純粋に生物学のレベル」
「知り合ってどのくらいだい」
「1年ちょい」
「清い関係なんだな?」
「さもなきゃ犯罪だろうが」
 相原学は口の端に笑みを浮かべた。社会人1年生23歳、比して彼女は14歳。
「恋愛ならあり得るだろうが」
 母親は至って真面目である。相原学は表情を少し引き締め、
 腕組み。
「関係というか、いとこ同士みたいな感じかな。身体のことなんざ話題にすらならん。ああでもこの夏、自分ちょっと子どもっぽすぎるなぁ、それを気にしてる、みたいなニュアンスのことは言ったな」
「初潮が?」

 

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