【魔法少女レムリアシリーズ】Baby Face-01-
●はじめに~作者より~
この物語では女の子の「生理」を扱います。
主題とすることに嫌悪感を抱く方も多いことでしょう。
しかし、そうしたタブー視こそが正しい理解を妨げ、特に、男の子達に歪んだ情報をもたらす余地を与えている気がしてならないというのが私個人の見解です。
レムリアにその辺話したら「私だからこそ隠さず書かれて構わない。むしろ書いて欲しい」とのこと。彼女はご承知の通りボランティアとして世界中を巡っていますが、性に対する正しい認識がないばかりに、女性や子どもが傷付き、命を失う事態が少なくないといいます。これは女性の側の自衛は勿論、男性の側に理解と尊重が芽生えないと改善されません。
元々愛し合うのは夫婦となり次代の命を授かるため。なのに「愛」は尊いが「性」は穢れ。
矛盾していると思いませんか。
物語を始めます。
1
もんじゃ焼き。
メディア・ボレアリス・アルフェラッツ王女殿下の誕生日祝いの食事がそれである。
しかも、そう書くともんじゃの本場、都内月島(つきしま)の高級店に出張って、SPが店の戸口に張り付いて……というイメージが想起される。しかしここは東京多摩地区にあるチェーン店であり、畳の上に並んだ座卓席の一つ。傍目には中学生程度の女の子である彼女と、その隣にファッションセンスのないメガネの青年、座卓を挟んで中年のおばさん、そんな取り合わせ。彼女はそんな名前であるが、その割に日本にいて、座卓にいて、目立つわけではない。確かに顔立ちは可愛らしいと言って良い。肩口でスパッと切ったショートカットの黒髪が軽快な印象を与え、少女マンガのヒロイン向きと言えようか。渋谷や原宿を歩けば人目を引くのは間違いなく、声を掛けられる可能性はあろう。そういう点で目立ちはしようが、国籍が日本ではないとまでは気付かれまい。実際満員に近い店内で彼女に目を向ける者は無い。但し、現時点、彼女にその可愛らしさに似合う笑みはない。顔色も冴えず、箸も進まない。まるで美しいがしぼんだ花。
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