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2013年11月14日 (木)

アルゴ・ムーンライト・プロジェクト【92】

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 核物質に関わる何かが起こり、EFMMのメンバーは姿を消した。
「ラングレヌス」
「おうよ」
 アルフォンススの声に大男が応じた。
 レムリアはギョッとする。不死身という触れ込みの彼だが、放射線障害の機序は遺伝子を傷つけるもので、先回見せた銃弾等に対する頑強さと異なる。
「心配のお目々だなレムリア。優しくてありがたいね。だけどよ、この船の宇宙服は対放射線防御能力があってな。宇宙空間は放射線のシャワーの中だからそういう作り。大丈夫だよ」
 大扉へ歩きながらラングレヌスは言い、その背中にレムリアは思わず微笑みを浮かべた。
 そして大男は、扉の向こうへ出ながら振り返って一言。
「多分、な」
 ニヤッと笑い、扉を閉めてしまう。
「総員手がかりを探せ。カメラ、レーダ動員せよ。テレパス。人の意識は感じないか」
「いえ……いや、西へ流れる感あり。西へ流れています」
 セレネが答える。レムリアは船長副長のやりとりに唇を噛みしめ、自席の画面に目を戻す。
 今大事なのは、EFMMのメンバーを見つけること。
 テレパシーは何も明確なことは言わず、画面にあるのはヘリコプターと兵士の遺体だが。
 そこに、ウェットスーツを思わせる着衣をまとったラングレヌスが映る。NASAのそれのようにゴワゴワした感はないが、宇宙服とはそれらしい。先回と同じく長銃を背負い、それと別に腰元に何か機器を付けている。画面に出ている使用機器表示には放射線検出器とあるのでそれだろう。マイクのような形のセンサーを手にし、横たわる兵士に向ける。
 船内画面には赤文字で警告。大丈夫と言われても、不死身という触れ込みでも、やはり心配は払拭できない。
 しかしラングレヌスの物言いは至って落ち着いたもの。
『メータが振り切れるな。頭から足の先まで背中一面反応する。この兵隊が被曝したことは確かだろう』
. 
(つづく)

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