アルゴ・ムーンライト・プロジェクト【124】
←前へ・次へ→
.
そのまま、周囲に叫びながら、来た道を取って返す。みんな来いよヴァルキューレがいるぞ……
「さて、見つかっちゃったよ。どうする?」
レムリアはいたずら少女の瞳でちありちゃんに言った。こういう場合レムリアとしてはやることは一つ。
「え?えっ!」
何事かと戸惑い目を見開くちありちゃん。二人のやりとりにシスターは一歩下がって微笑。
これから何が始まるか、予想が付いているのだ。
正義の味方ヴァルキューレが日本から見参。〝第一発見者〟の子は孤児院中を触れて回り、恐らく孤児院の子ども達が全部集まった。
頃合いである。レムリアはドラキュラ用の付けキバを口にくわえ、シスターの背後に回り、人質よろしく抱きかかえて広い場所へ。
「へっへっへ。シスターは我ら魔族が預かった」
レムリアはちありちゃんにウィンクして見せた。
日本語「活躍してね」。
即席の正義の味方ショータイム。ちありちゃんも了解したようで、頷いてウィンクを返した「やっつけるわよ」。
「あ~みんな助けて~」
シスターも心得ている。
すると。
「あれ?ヴァルキューレゴールドは?」
子どものひとりが指摘した。
正義の味方ヴァルキューレはゴールドとシルバーの女の子コンビである。
「シルバーだけ?」
「ねぇ、ゴールドは」
「予算の都合で私だけなんだ。オランダは遠いねえ」
ちありちゃんがアドリブを利かせる。
「そのかわり、みんながゴールドになってくれたら」
「よーし。オレ達でシスターを助けるぞ!」
子ども達が寄ってたかって魔女を襲撃。
放っておけば、特に男の子は本気で殴りかかってくるので。
魔女としてはシスターを残して逃げ出す。この後アニメでは派手な立ち回りになり、敵が一発逆転を狙ったところで必殺技炸裂、がパターン。
.
(つづく)
| 固定リンク
「小説」カテゴリの記事
- 【理絵子の夜話】城下 -10-(2023.12.09)
- 【理絵子の夜話】城下 -09-(2023.11.25)
- 【理絵子の夜話】城下 -08-(2023.11.11)
- 【理絵子の夜話】城下 -07-(2023.10.28)
- 【理絵子の夜話】城下 -06-(2023.10.14)
「小説・魔法少女レムリアシリーズ」カテゴリの記事
- 【魔法少女レムリアシリーズ】魔法の恋は恋じゃない -24・終-(2023.07.26)
- 【魔法少女レムリアシリーズ】魔法の恋は恋じゃない -23-(2023.07.12)
- 【魔法少女レムリアシリーズ】魔法の恋は恋じゃない -22-(2023.06.28)
- 【魔法少女レムリアシリーズ】魔法の恋は恋じゃない -21-(2023.06.14)
- 【魔法少女レムリアシリーズ】魔法の恋は恋じゃない -20-(2023.05.31)
コメント