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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト【109】

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 日本時間では夜に当たる。
 日本の病院との契約は、アドバイザリーとして、のようであった。インターネットテレビ会議システムで連結し、リアルタイムに情報をやりとりしながら診察、治療を行うというものだ。
 考えてみれば当たり前だとレムリアは納得した。放射線障害の治療は一刻を争う。どんなに速い飛行機を使っても、都度日本まで飛んで行く時間は無い。
 目を開けたEFMM団長に、当該病院のベッドの上だと話したら、当然、その目は円くなった。
「1万キロは優にあるんじゃないのか?あれから何時間経った?時差があるから……24時間か」
 病室の時計を見て団長が呟く。実際には15分であるが、レムリアは何も言わなかった。
「つくづく、不思議な姫だ」
 団長は円くなった青い目を細めた。レムリアはゆっくりまばたきを返した。現在メンバーはめいめいベッドに横たわり、血球数の変化を常時観測する大がかりな装置に取り囲まれている。但し、放射能の残留は検出されなかったため、一般病室であり、レムリアもベッドサイドのイスの上。
「最も、私の見立ても間違っていなかったと自画自賛していいかな?追い込まれて浮かんだ存在は姫だった。姫ならひょっとしてと思ったのは確かだからな。何せ貴女が携わった子どもは皆回復してしまうからな。貴女には特別な能力があるのではないか……エビデンスは何もないがな。ただ一つ事実は貴女の存在によって我々オトナも助かったということだ。あのリフトはどこから持ってきたとか……まぁ、訊くだけ野暮だ。姫よ貴女は奇蹟を呼んだ。いや貴女自身が奇蹟なのかも知れない。ミラクル・プリンセス」
「え……」
 はっ、とする。身体がびくりと震えて一瞬熱くなる。
 ミラクル。奇蹟。
 それはアルゴプロジェクトが標榜していること。
 寄り添う車輪。太陽と月。
 このシンクロニシティ。
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(つづく)

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