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【魔法少女レムリアシリーズ】Baby Face-07-

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「お説高尚だな母殿。とりあえず……彼女のことは好きは好きだ。本人にもそう言った」
「愛情って意味か?将来を見据えてか?」
 母親の言葉に相原学は少し瞠目。
「将来て結婚て意味か?」
「当たり前だろうが。それとも、そんな中途半端な気持ちなのか?」
「いや……」
 相原学は目線を外し、小さくため息、そして舌打ち、
「しょうがねぇなぁ。俺個人は就職できた以上、社宅がどうの給与水準がどうのは常に考えております。でも14の娘にそこまで意識させるもんでもねーだろ」
「それはどうかと思うけどね。日本の法律は16で結婚できるんだぞ?」
「知ってるよ」
「そうじゃなくて。知り合って1年続いた。16歳まであと2年。交際続くだろうし、あっという間だってこと。だったら、そこまで考えてて普通だと私は思うし、そう動くべきだと思う。男の責任とはそういうもんと違うかい?逆に言うとそこまでで結論出なけりゃそういう仲じゃ無いんだよ」
「そんなコソコソ外堀埋めるようなマネしたかぁねぇよ。もう3年経った、それで?みたいなマネはさ。だもんで、お前は命がけで守るに値する。とだけは表明したわけ。その先は成り行き次第だろうよ」
「彼女は何と?」
「何も。だから恋愛だと確認し合って交際してるわけじゃないんだよ。正確には“はぐらかされて幾星霜”状態。好きになる気持ちなんて、まず自分がなってみて、それで初めてなった側の心理が判る、ってなもんだろ。急がせちゃいねぇし、いけねぇだろ」
「……やっぱりお義理でウチに来てるのかねぇ」
 腕組みする母親に、相原学は手先を左右にパタパタ。
「ああ、それはない。そんなことをすれば逆に……自分で言うのもあれだけど、俺を傷つけるって知ってる」

 

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