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【魔法少女レムリアシリーズ】Baby Face-08-

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「それもそうか。……ああ、上がったみたいだね。お前には自室警備員を1時間命じる。引っ込んで出てくるな。彼女と話がある」
「承知」
 相原学は立ち上がった。のだが、母親が呼び止める「ああちょっと待った」
「何?」
「私の部屋の本棚の推理小説の後ろに、“妊娠と出産”って本がある。その中に“パパになるあなたへ”って夫向けのコラムのページがあるから目を通しておけ」
「だからメカニズムは知ってるって」
「教科書や学術書に“心”のリズムまでは書いてないだろうが。ほれ、早く消えて失せろ」
「へいへい」

 

 

 生理・月経について本稿で解説を加えるつもりはない。ただ、相原が小学5年生だったか、男子を追い出して行われた“女子達だけの特別授業”の中身が何か知ったのは、中学に入ってからだ。“性”に興味を持った男子達が“情報交換”を始めたことで、ようやく“だからあの時”……と察したのである。そして昆虫や動物に言う交尾との同一性はすぐ理解した。
 男の子であるから、それこそ彼女に話したらひっぱたかれそうなことは一通り手を出した。本もビデオも見まくった。男性器官は文化や時代・価値観に寄らないあからさまな野性であって、御して従う代物ではない。スポーツで発散するとか保健体育に書いてあったが、書いたヤツはバカじゃなかろうかとしか言いようがなかった。身の回りで何十人という単位で、次々“色香”を放ち始めるのだ。ムネに太ももに、のみならず本当にいい匂いがするのである。教科書通り発散したって翌朝には見事にリセット。あの曲線織りなし構成される肢体の美、それが制服に包まれ振る舞うの芳香は豪奢な景の一言。
 やがて目が離せなくなった少女が現れ、それが恋と判って思いを告げたがあっさり振られた。何度も失敗を重ねる過程で、父……故人……に、母とのきっかけについて尋ねた。

 

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