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【魔法少女レムリアシリーズ】Baby Face-12-

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 そして大学在学中、就職への糸口が見え始めた頃、理系の大学では少ない方だろう同学の女性にアプローチする。一般に物静かな女性というのは応じた余裕と落ち着きが背景にあり、その源の一つは知性の故に慌てる場面が少ないからだ、と書ける。比して相原は、ここに書いたようなことを脳にデータベース化している、いわゆる“オタク”であり、逆に話が噛み合うのであった。
 が、この恋は結局は成就しなかった。それは彼の経験不足の露呈であった。相手の女性が求める水準に達していなかったのである。
 彼女と出会ったのはその頃である。ハイテク満載の空飛ぶ船で極秘の救助ボランティア……その途上で救助した拉致被害者の日本人少女を連れて降りて来たのだ。実はこの出会いこそが上記彼の恋にピリオドを打つのだが、委細はさておく。以降、彼はそのプロジェクトに深く関わるようになり、応じて、彼女にとって彼の家は極東の別荘とも言える程近しい存在となり、
 遂に今日、彼女が14歳を迎えて数月、彼女は命のバトンの担い手になった。
 
 
 当初予定では、彼女はその晩“空飛ぶ船”で飛び立つ予定であったが、慎重を期し、体調が落ち着くまで相原宅にとどまることにした。精神的ショックも手伝ったか、少し貧血気味となり、翌日婦人科でビタミンや鉄剤の処方を受けた。
 “念のため病院に行った”……メールの文言に心配した相原が、フレックス退社を使って陽のあるうちにと帰宅すると、母親の姿はなかった。玄関足ふきマットにネコがいてニャアと言うだけ。それは母親の帰宅待ちのスタイルであり、実際三和土に靴が見えない。外出であろうか。
 親子電話で母親の部屋を呼び出すと、彼女が出た。この同床は何かあった時女同士の方が良かろうという考えによるもので、彼女が泊まりに来るようになった当初からの対応。
 

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