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【妖精エウリーの小さなお話】けだもののそんげん-17-

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「監視カメラとか」
 ナイアデスの指摘。コンテナに乗っている姿を見られてしまいます。
「リクラ・ラクラ・バリア」
 私は胸元の石を手にして呪文一閃。
 名の通りバリアに自分達を包んでしまいます。中は外界と次元が異なるので電子回路ごときに解像は不可。
 エレベータが到着し、ガラガラと音を立てて扉が開き、ピッピと何やら電子音。思わせるのはレジスターのバーコード。
「認証作業……厳重だよこれは」
 トラックが動きます。ゆっくり大きく揺れながら動き、エレベータケージの中へ。
「エウリーさん、天井が低いです」
 ナイアデスが気付いて指摘。トラックにコンテナ載せた状態でエレベータケージの天井一杯。
 このままでは乗ってる私たちは“そぎ落とされて”しまいます。
 仕方ありません。
「リクラ・ラクラ・テレポータ」
 テレポータ……瞬間移動……テレポーテーション。
 その行き先。
「これは……」
 ナイアデスは絶句しました。
 コンテナの中。それは山積みの死。
 バリアを解かない方が良いと私はすぐに結論しました。
「みんな病気か……天国には行けたのかな」
「いいえ」
 ナイアデスの思いに、私は、別の見解を示すことになりました。
 この骸になった犬猫達は。
「中絶です。だから、そもそも降りて来さえしていない」
 中絶、という概念が動物たちに無いので説明。
〈なるほど。お腹の中で病気だったのかな?〉
「生産数調整」
 その、殺伐そのものの、私の言葉は、“暗黒”という色イメージで動物たちに広がりました。
“ビジネスモデル”という奴です。“需要”に合わせて“生産”し“鮮度”を管理する。
 血統書付き20万円。
 トラック・エレベータが停止しました。
 再度セキュリティチェックを経て走り出します。

(つづく)

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