【魔法少女レムリアシリーズ】Baby Face-16-
彼女は、まっすぐ、相原を見た。
相原は頷き。
「男ってすけべえです。知ってると思うけどね。なので、そういう方面は予備知識スゴイのよ。自主的に、必要以上に、激しく、勉強するからね。だから何だろ、流星群という現象があります。過去こんな風に絵に描かれてます。動画もあります。で、実際遭遇する。なるほどね、絵や動画と一緒だね。変な話それと同じ。もちろん、能力を持ったと知った以上、恋愛に伴うスキンシップのあり方について、一線と責任を有することを示すんだけれど、そのこと自体は、そういう身体になりましたってだけじゃ意識しないんだ。実際に女の人を好きになって、恋仲になって、進展し始めて、この先どうなる?と意識し始めて、それでようやく現実味が出てくる。この辺、男は本能が引き金ではあるけれども、バイオリズムに左右されないからね。最もぶっちゃけ、実際に目の前で女が裸になって、腕に抱いたらまた別の感慨が沸くとは思うが」
彼女は、彼の言葉を黙って聞いた。
男性の場合、理性じゃどうにもならない世界が存在すると聞く。逆に女性の場合、タイミングがどうにもならない。この辺の違いが意識差に表れるという可能性は確かにあるだろう。
そこで彼女はハッと気づく。そのために彼をここに呼びつけたんじゃない。自分が自分を女であると意識している。急激な変化だがそれは間違いないであろう。受け入れて良いであろう。それは確認できた。変でもないようだ。しかし主題はそれではない。
「女だ、って強く意識した」
「うん」
即応が返る。どう表現すべきだろうこの気持ち、言いたいこと。
「怖いんだ」
それは確かな気持ち。でも、何に対してだろう。
相原は急かさない。不思議そうな顔もしない。
言いたかったこと。彼について引っ掛かっていること。
放ったままにしてあること。
それは。
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