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【妖精エウリーの小さなお話】けだもののそんげん-24-

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 全員に至近に寄ってもらったところで、
 私は拳を振るいます。粉砕装置へのモータ動力線。
「リクラ・ラクラ・バリア」
 バリアの遮断機能をナイフのように使って、切って、落とす。
 200ボルト電源それなりのスパークが生じて火が走ります。
 油が気化していたのでしょう。ボウっと音を立て、空間全体に一気に炎が満ちます。
 応じた爆風が生じ、警備員加藤氏を吹き倒してしまいます。
「うわっ!」
 ケガはしたかも知れませんが、それ以上にはなってないはず。
 満ちた炎がプラントの全容を映し出します。粉砕装置の下もその隙間からよく見えます。下は何らかの加工、そして隣の区画は恐らく缶詰工程。缶が沢山並んでいるから。
 声と足音。
 数名の警備員とこの工場の社員らしき人物が背後に来ました。しかし、
 タイミングが悪すぎました。
 フォークリフトのタンクそのものが爆発します。
 爆発で床に穴があき、フォークリフトが転落します。応じて漏れた燃料がざぁっと音を立て、火の滝となって流れ落ちます。
 それら火炎が下層プラントを映し出します。粉砕装置で下に行き、下で加工を受け、ここから上に戻って缶詰にされる。そんな動線。
 すると、階下では何と作業の真っ最中だったようです。
 但し、完全自動設備。
 それは人が食べるために行う魚や家畜の加工と様相を異にします。どう言えばいいのでしょう。人が食べるそれは食物連鎖の一環を保持し、生き物と生き物の間の命の引き継ぎが維持されています。日本で言う食事の前の“いただきます”は、あなたの命を、の意味だと聞きますが、そうした習慣の延長線にあると言えばいいでしょうか。
 比してここは。
「不要を排除し必要を押し込み」
 ナイアデスはそう表現しました。熱と刃で最終的にはフレーク状にしてしまうのです。体毛の処理は……ううん、書かない。
 

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