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2014年3月

【魔法少女レムリアシリーズ】Baby Face-22-

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「(意図したこと形をなさず)」
 聞き覚えのある男の声が、特異な言語を街路に響かせる。日本語に訳すとそういう意味。
 ただ、その意味を知るのは彼女と、彼女の母親たる存在のみ。
 否。
 彼女は、ハッと覚醒した。
 “スイッチが入る”感覚が生じ、彼女は口をふさいだ指に噛みついた。そして反射的にその指が離れたところでその語を自ら口にした。
 原語で記述するのは避ける。
 
-しゃがみこめ
 
 心理に直接示唆があり、その通り身体を縮めると、空気をブンと引き裂き飛来するもの。
 鈍い衝撃音がし、背後にいた男の顔で何かが炸裂する。
 否、小ナイフを持った彼、ラブレターの主が叫び声を上げ、首をのけぞらせた。
 炸裂したものは赤と白とが入り交じる。一瞬それは彼の頭部脳組織そのものではないかと思わせたが。
 散った飛沫が唇に付着し、ハッとする程場違いな味覚が答えをもたらす。
 果物のリンゴ。
 引き続き、力任せとばかりリンゴが次々飛来し、男達の顔をしたたか打って行く。
 リンゴは書くまでもなくそれなりに高密度な果実であり、高速度で人体に当たれば相当痛い。
 明らかに自分の状況を見取り、救援のために投げつけられているのである。
「Ik politie!」
 それはオランダ語で警察の意。但し発音はまるっきしデタラメ。
 その声の主。
「ポリス!ケイサツ!ポリーツェ!ポリーツァ!ポリーシァ!」
 黒いコートを翼のように広げ、そのように叫びながら、その男は闇の中から走ってきた。
 まるでコウモリである。一体誰か。街灯に光ったのはメガネの銀縁。
 立ち止まり、抱えた紙袋から再度リンゴを取り出して投げつける。
 それは野球の投球フォームであって、力学的には全身と腕と手首まで用いて回転力を投擲物に重畳する。素人であれ射出速度は時速100キロを軽く越す。
 

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【妖精エウリーの小さなお話】けだもののそんげん-24-

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 全員に至近に寄ってもらったところで、
 私は拳を振るいます。粉砕装置へのモータ動力線。
「リクラ・ラクラ・バリア」
 バリアの遮断機能をナイフのように使って、切って、落とす。
 200ボルト電源それなりのスパークが生じて火が走ります。
 油が気化していたのでしょう。ボウっと音を立て、空間全体に一気に炎が満ちます。
 応じた爆風が生じ、警備員加藤氏を吹き倒してしまいます。
「うわっ!」
 ケガはしたかも知れませんが、それ以上にはなってないはず。
 満ちた炎がプラントの全容を映し出します。粉砕装置の下もその隙間からよく見えます。下は何らかの加工、そして隣の区画は恐らく缶詰工程。缶が沢山並んでいるから。
 声と足音。
 数名の警備員とこの工場の社員らしき人物が背後に来ました。しかし、
 タイミングが悪すぎました。
 フォークリフトのタンクそのものが爆発します。
 爆発で床に穴があき、フォークリフトが転落します。応じて漏れた燃料がざぁっと音を立て、火の滝となって流れ落ちます。
 それら火炎が下層プラントを映し出します。粉砕装置で下に行き、下で加工を受け、ここから上に戻って缶詰にされる。そんな動線。
 すると、階下では何と作業の真っ最中だったようです。
 但し、完全自動設備。
 それは人が食べるために行う魚や家畜の加工と様相を異にします。どう言えばいいのでしょう。人が食べるそれは食物連鎖の一環を保持し、生き物と生き物の間の命の引き継ぎが維持されています。日本で言う食事の前の“いただきます”は、あなたの命を、の意味だと聞きますが、そうした習慣の延長線にあると言えばいいでしょうか。
 比してここは。
「不要を排除し必要を押し込み」
 ナイアデスはそう表現しました。熱と刃で最終的にはフレーク状にしてしまうのです。体毛の処理は……ううん、書かない。
 

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【魔法少女レムリアシリーズ】Baby Face-21-

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 ああそうか。
 彼女は洞察を得て思わず立ち止まった。既に彼氏がいるから……という書き方はあるか。
 いいわけとしてポピュラーと思うが何で思いつかなかったのか。相原を彼氏と自認してない故か。
 アパートまであと数十メートルの暗がり。
 普段なら、そうなる前に気付くはずである。
 しかし今のそれは、手遅れだ、という気付きであった。
 背中にチクンという感じの痛み。
「Non deve muoversi.」
 ボソボソっとした低い声。イタリア語で動くなの意。
 目の前に現れて行く手を塞ぐ、黒い革ジャンパーの男3名。
 その状況。彼女は4人の男に取り囲まれ、うち1名は背後から刃物を突き立てている、である。しかし、自分が実際そういう場面に遭遇すると、そうだという実感はなかなか得られない。
 むしろ何が生じているのかピンと来ない。
「Io L'assassino.」
 殺すぞ。
 背後から羽交い締めにされ、手のひらで口を塞がれる。男の腕による力任せの行動に対し、初めて防衛本能が働いて反射的に手足が動こうとする。しかし俊敏にして圧倒的な腕力差は恐怖を生みこそすれ、対処を何か考えるというステップに進まない。
 恐怖で萎縮してしまうのだ。よくある、“何故逃げないのか”という一般的問いに対する回答。
 ……何冷静に分析してるんだろう自分。
「È una figlia impertinente.」
 失礼とか、生意気とか、そんなニュアンス。次いで、女性に対する激しい罵り語と、無視しやがって、死ぬ目を見ろ、と付け加わる。
 羽交い締めの腕が自分の身体を引きずって動かそうとする。言葉の意味も判り、たった今生じようとしている事態も把握している。しかし身体は固まり思考回路は何も働かない。
 その時。
 

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【妖精エウリーの小さなお話】けだもののそんげん-23-

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 ガス室扉の操作パネルがスパークし、発煙します。
 警備員がそこを見、ギョッとした顔。
 そこには犬がいます。正確に言うと犬の背中に私がいます。犬に歩いてもらい、通りすがりの機械を片っ端から壊して行きます。こっちの通信中継器がパンと破裂して発煙。そっちの機械がエラーでピー。
「し、死んでない」
 警備員の片方が言いました。警棒持つその手が震え出します。
 もう一人の警備員がものすごい勢いで片方氏の顔を見ます。
「……バカな、バカなこと言うんじゃねぇよ。お、応援を呼ぶ……」
 腕に装着された無線機。
 そこへ口元を近づけようとしたところをネコがひっかきます。
 続いて犬と私が通りすがり、衝撃波が無線機を破壊。
「ううわ加藤!お前……」
 その呼ばれた側の加藤なる人物……片方氏は同様に無線機に呼びかけようとし、凝固。
 死体山積みのコンテナの中からかき分け出てくる犬たち猫たち。
 そしてネズミ。
 ネズミに威嚇させます。懐中電灯に光る赤い瞳、剥き出しの前歯。
「くそっ!」
 加藤なる人物は踏み潰そうとしたようです。しかし足を上げた瞬間にネズミたちが飛びかかる。
「うわっ」
 但し、ネズミたちには、危害を加えよ、としたわけではありません。加藤なる人物が躊躇したタイミングで無線機破壊。
 最初に無線機を壊された警備員が走り出します。
「佐藤どこへ!」
「応援を呼んできます」
「く、くそっ」
 一人残された加藤なる人物も走り始めます。でも私たちにその行方は興味ありません。
 充満する油のニオイ。
 フォークリフトのそれが相応に漏れて溜まった。
「悪いけど破壊します。このおぞましい」
 私は言いました。姿は小さいまま。
 が、私の声聞こえたようです。加藤氏立ち止まりました。
「な、何だと?どこにいやがる!」
「離れて。さもなくば知りません。さぁみんなは集まって」
 

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【魔法少女レムリアシリーズ】Baby Face-20-

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 どう返事をしたらいいのか……フリースクールなので、単位さえ取れば顔出すのは好きな時で構わない。それをいいことに実はもう、一ヶ月、ここにある。相原宅で世話になる前からの話だ。学校も行っていない。当人からは避けたと取られているであろう。そしてそれは、確実に“彼”に傷を与えた。されど、素直な気持ちは更に彼を傷つける。
 前はそんな事は無かった。あっさりゴメンね考えられないで断ってきた。しかし、今は、今回の彼は、それが与える傷の大きさが容易に想像できる。
 是か、非か、如何にあるべきか、悩んだ挙げ句答えが見いだせず、その時間がさらに傷を深めると気が付く。
 思い詰め、限界と見て衝動のままにメッセンジャーを開き、しかし肩すかし。
「頼るな。ってことか」
 鉢の上、小さな花をつん、とし、彼女はアパート自室を出た。
 触るだけで冷たい鉄のドアを開けると、冷涼な夜気に気管と肺が凍り付きそうになる。北緯50度。暖流が達する欧州とはいえ、12月は緯度に応じた寒さと暗さ。7時だが深夜さながらだ。マフラー巻いて口元まで覆う。
 古びた鉄階段をカンコン下りる。目的地は2ブロック先のマーケット。悩むうちに夕食の買い物を忘れていた。それでもお腹は減るもんだと苦笑しつつ。
 のみならず、うろついて店のおばちゃんと少し喋って、厨房に立てば気分転換、という目論見もある。
 居並ぶテント下をあっちへこっちへ。結果買ったのは小エビに貝柱、キノコ類。何を作ろうって天ぷらだ。相原の母親に教えてもらった。
 勘定を終えて帰路につく。夜空に出、しかし帰ればテーブルの上に手紙があるんだ、と思うと途端に気が重くなる。傷つけず、しかし断ることは出来ないものか。“考えられない”……今まで使ってきたこれは、肯定も否定もしないという受け止め方も出来、実は何の答えにもならないと判断する。何せ、そういう立場の相原学が“耐えている”ことはよく判っているからだ。彼が自分自身の“どっちとも言えない気持ち”を認識しているのもまた判っている。ちなみに彼を人に紹介する時、年上の知り合い、友達というのも妙なので、彼氏が……と言うこともあるが、実際そういう存在と言ってもいいのか。
 

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【妖精エウリーの小さなお話】けだもののそんげん-22-

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「ここを壊します。ネズミ君達は電気ケーブルを囓って。ミミズク君は“いやな感じ”が弱い線を教えてあげて」
〈判りました〉
 いやな感じが弱い。その狙いは電圧が低いもの、すなわち通信用のケーブルを噛み切る。
 感電防止の観点もあるのですが、現在の工業プラントはネットワーク接続で自動制御が殆どです。こういう“なるべく人が関わりたくない”システムであれば尚のことでしょう。でくの坊にするなら、通信系の破壊で充分。
〈エウリーさんこれは?〉
 ナイアデスが見たままの画像を送ってきました。コンテナリフトの後ろにぞろりと並ぶ歯車の羅列。
 行ってみると粉砕装置と判りました。同じものを廃棄物処理場で見たからです。おどろおどろしい形状の刃が無数に並んだローラーが二つ。
 挟んで回って下に落ちる。
 そのローラー駆動用でしょう、モータと、そのモータに太い電線で繋がれた機器があり、機器に繋がっている通信ケーブルをネズミが囓って操作パネルがエラーを出します。その操作パネルもプラスチックなので囓って破壊。
 すると中でショートしたらしく、スパークの小さな火花がパチパチ発生。
 ならば。
 より確実に効率よく、ここを破壊できる方法がある。
 私はコンテナリフトに向かい腕を振り上げました。コンテナリフトはエンジン駆動、すなわち。
「エウリーさん」
 止められない躊躇。彼女の意思を感じながら、私は念を投じました。
「まさか……」
「ええ」
 彼女の認識は間違っていない。
 拳から衝撃波。1回、2回、3回。
 凹み、ひびが入り、そして漏れ出したので良しとします。
 充満する油の臭い。エンジンが止まり、バタバタと殺到してくる足音。
「誰だ!」
 制服の警備員が2名あり、特殊警棒を手に叫びましたが、彼らに見えたのは動物たちだけ。
 

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【魔法少女レムリアシリーズ】Baby Face-19-

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 その後、彼女は居住地であるアムステルダムへと帰った。
 彼女はアパートに一人暮らしであり、離れた二人の連絡手段は通常、インターネットのメッセンジャーである。しかし、彼女のハンドルネーム“レムリア”がオンラインと表示されることはしばらく無かった。
 その間、相原は携帯電話を開き、アドレス帳を見つめては、しかし閉じるという動作を、何度か繰り返した。こうなると、コールするのも、コールを控えるのも、どっちもぎこちない。実際、相原側から提示する話題は無い。
 相原は唇を噛む。1万キロ離れたいとこ同士、壊れたか。
 一方の彼女……普段相原学にそう呼べと命じて(!)いるので、意を汲んでレムリアと書く……が、メッセンジャーを起動したのは3週間後のこと。
 が、逆にいつもならオンライン表示される“学”はオフラインであり、携帯に掛けても留守番モード。
 自宅そのものの電話番号も知っている。掛ければ少なくとも母親が出ると知っている。
 でもどうしてか自制が働く。怖いようなこの気持ちは何なのか。しかも、それは彼を否定する言では無いのに。
 彼女レムリアがメッセンジャーを起動したのには訳がある。ポインセチアの小さな鉢を重しに、一通の書面がテーブルの上にある。
 ラブレター、なのだ。
 もらったのである。身分隠して通っているアムステルダムのフリースクール。土地柄ブロンド碧眼の子が多いわけだが、比して童顔で黒髪のレムリアは、彼女自身の意識以上に男の子の目を捉えていた。もちろん多くはビジュアル・雰囲気からのアプローチであり、“まず互いを知る”というプロセスは経ていない。良くも悪くも“一目惚れ”である。が、今ここにあるこの手紙はそれらとは様相を異にする。曰く孤児院で見かけた、献身的な姿に応援したくなった、云々。ナイチンゲールに準えたポエムまで付いている。馬鹿にするのは簡単だが、詩になるほど大きく心を動かしたという見方も出来る。
 
(つづく)

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【妖精エウリーの小さなお話】けだもののそんげん-21-

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 窒素79酸素18。二酸化炭素は2パーセント無い位。気圧1008ヘクトパスカル。
 通常の空気成分バランス範囲。
〈ナイアデス。小さくなって動物たちの背中へ〉
 私たち二人。イヌとネコの背中に。
 バリア解放。
「扉が開くよ」
 工場側の扉が開きます。非常ボタンでガシャンと落ちることを考えると、気付かれて、操作されて、チャンスは数秒。
 白い照明が私たちを照らします。無人フォークリフト、いえ、似ていますが左右に広がるアームを持っており、エンジンで動いています。コンテナを挟んで持ち上げる機械と考えて良さそうです。
 そのコンテナリフト照明脇に黒く光るもの。監視用カメラのレンズでしょう。まるで見ている瞳のような黒いそれに、私たちの目は金色に光り輝き、
 そうした目がズラリ並んで見えたに相違ありません。
 サイコキネシス。
 コンテナの蓋ぶら下げている磁石を動かします。派手にする必要はありません。ぶら下がっているのでブランコと同じ原理で次第に大きく揺さぶってやれば良いだけです。
 磁力がカットされます。動き出した蓋にオペレータがうろたえたのでしょう。当然蓋は外れますが、揺れて勢いが付いているのでそのまま横っ飛び、室内壁面に激突。そこはステンレスのスリットが幾つか縦に並んでいる部位。「!」を三角形で囲んだ注意マークがあるので、二酸化炭素噴霧装置の出口と見ます。
 数百キロの鉄板が同じ金属の壁面に激突した事象ですので、応じた非常に大きな音と振動が生じます。
 その音は耳をつんざき、ステンレス壁が折れ曲がってめくれ、壁の地肌であるコンクリートが剥き出し。
 そして蓋鉄板は弾き返され、コンテナの壁面にぶつかった後、床面に落下。
 音だけで書けばガシャーン、ドカーン、再度ガチャーン。
 

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【魔法少女レムリアシリーズ】Baby Face-18-

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 そんなこと言ってくれなきゃ良かったのに。
 でも、言わせたのは、自分。幼いおぼこだった自分。
 その時はふざけ半分、楽しさ半分。
 今になって、自分のしたことが“怖い”。
 彼には言われたことがある。年齢相応の相手が見つかったらそっちを大切にしろと。
 それが自然だと。
 彼と、離れる。
 記憶と言葉がリフレイン。幾度か繰り返し、気が付くと涙ボロボロで彼にしがみついている自分がいた。
 彼には自分が突如押し黙り、突如泣きながら抱きついてきたという事態になったであろう。
 自分が制御できない。
 しかしどうにもならない。身も心も勝手に動く。
 肩をぽん、ぽん、と叩く大きな手のひら。
 暖かい。
「確かに、身体が大人になって行くことと、そういう気持ちや感情の存在は連動すると思う。だけど、ムリして同期させようと思う必要はないよ」
「ごめんね、わがまま」
 それは確かな事実。
 そして。
「ただね。ひとつだけ、ひとつだけ判ってて、言えるのは、あなたは私の最大の理解者だってこと。私のことを公然と……愛してるって言ってくれる人で、私は、そういう人がいるんだぜ、って紹介できるってこと。胸張ってね」
 彼女は、無理にとバレていると承知の上で、笑顔を作った。
「ありがとさん」
 相原学は、ただそう言い、その後、母親が帰宅するまでそばにいた。
 でも、そうしていている間、彼に何も言えない自分があった。
 最も、同じ時間をひとりで過ごしたならば、更に落ち込むような状態に至っただろうと判っている。
 そばにいるだけ、が最大的確な回答であり、彼はそれを自動的・当然というレベルで用意でき、実践したのだ。
 彼女は手を握る。
 彼は優しく握り返す。
 言葉はないまま。だけどそれしか出来なくて、それが彼の優しさで。
 この涙は何のために出てきて、何を押し流そうとしているのか。
 ただ前と違うこと。彼女はその涙を今度は自分で拭った。
 

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