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2014年4月 2日 (水)

【妖精エウリーの小さなお話】けだもののそんげん-25-

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 程なく流れ落ちた炎でプラントは停止し、それこそ加工中の“材料”に火が移ります。
「放っておけば燃えるでしょう。非合法だから消防を呼べないでしょうし」
 私は言いました。そして、
「あとは制御と電源」
 付け加えます。制御……人が詰めて監視している事務所部分がこのフロア奥方に、公共電源を引き込めない故の発電施設が更にこのプラントの下にある。
 以上は透視や、社員からのテレパシー情報窃取による補足。
「待避しようとしてるようです。どうします?」
 ナイアデスが気付いて言いました。どうやら警備も監視オペレーションもこの会社の人間のようです。すなわち、部外者はいない。まぁ、こんな違法でおぞましいもの警備する会社は無いでしょうし、そもそも頼もうとは思わないでしょう。
 なら、遠慮は要らない気がします。
「リクラ・ラクラ・テレポータ」
 跳躍し、私たちが現れたのは、大きなテーブルに複数の椅子、ホワイトボード。
 会議室のようです。隅に警備の制服と青い作業服、総勢5名が固まって喋っています。
 私たちの出現に気付きました。
「な、なんだお前らはっ!」
「うわっ!」
 以下、それぞれに感嘆語を発して驚愕の意思表示。
〈噛みつきますか?〉
 犬が訊きました。
〈いいえ、みんなで並んで寄って行くだけで充分〉
 一緒に来た動物たちが横一線、並んで人間達に迫って行きます。
 テーブルは邪魔です。そこにはネズミやリス、ハクビシンなどが飛び乗ります。
 動物の死体をぞんざいに扱う作業場で、野生動物が徒党を組んで迫ってくる。
 5人は凝固し、押し黙り、目を見開いてぶるぶる震え。
 そして。
 ひとりが喉破れんばかりの叫びを発して部屋隅の大きな花瓶を抱え上げました。
  幹部等が訪れた際には派手な花を挿すのでしょう。されど今は空っぽ。
 

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