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【妖精エウリーの小さなお話】けだもののそんげん-29-

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「機動性の良いことで」
「お金持ちでいらっしゃる」
 ヘリコプターからサーチライトが照射されます。
 道に沿って光を走らせるので、当然私たちはすぐに見つかりました。予知の通りです。いえ、既知でしょうか。
 隠れる気はありません。
 逆に手鏡で反射してやります。応じた動揺が光のぐらつきに現れます。
 果たしてヘリコプターは私たちの行く先に降りて来ました。この先は国道で、少しスペースがありますから、そこでしょう。
 バタバタというロータの回転音と、応じた強い風。
「来るね」
「うん」
 いいのです。さっきの電話があった時点でこうなることは想定済み。
 必要なのはその者達を公の目に晒すまで引き留めておくこと。
 風が森に吹き渡って行き、木々を乱雑に乱します。
「逃げ道を断っておこうか」
 私は手から衝撃波。
 高速回転するヘリコプターのローター・ブレードを狙ったと書いて、信じてくれますか?
 ブレードがちぎれ飛びます。竹とんぼの羽根を片方もぎ取ったようなモノですから、応じてバランスを崩し、ひっくり返ります。
 残ったブレードが数回地面をひっぱたき、ただ、映画のように派手な爆発、とは至らず。
 その代わり、急に静かになり、混乱した声が聞こえてきます。
「暴力が来る」
「私兵というか、暴力団だね。裏社会と結託してる」
 ライト掲げて走ってくる一団。
 問題はそのライト。
「ナイアデス!」
「はい。みんな身を隠して」
 出力の高いレーザポインタ……の、光で目が眩む前に、動物たちは森に身を潜め、私たちは小さくなって宙へ舞い上がります。
 その上空から見たのは、迷彩服着た男3名だと言ったらあなたは信じますか?
 日本の、国立公園という場所で。
 迷彩服はサバイバルゲーム用、辺りでしょう。そして得物。
 

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