【魔法少女レムリアシリーズ】Baby Face-33-
変化は一瞬であり、しかも人々の目線が外れた瞬間を狙っており、その瞬間をリアルタイムで見た者は自信を持って無いと断言できる。
「学はアキバの大きなお友達と言うことで」
「了解。しかしこの程度変身するのに最早お月様は不要か」
相原が自身とレムリアを見回して言う。彼女の魔法は月の精霊の力を借りるもの。当初は満月が必要だったり、応じた呪文や作法を要したりなどあったが、段々と、制限が取れてきている。
出会った時、彼女は魔法は半人前と言った。
比して成長しているのであった。
「このくらいならね」
ウィンクを返すと、人の流れに乗って出口へ向かう。人目が二人に集まる。
「目立ちすぎないか?」
「あたしこれでホコ天歩いたりしてるから逆に大丈夫」
レムリアは休日歩行者天国でよくマジックショーをする。魔女のマジックであって切れ味抜群であり、感激した観客からおひねりをもらうこともしばしば。その際の衣装は金縁スーツにシルクハット、であるが、これを子ども達メインで行う場合はアニメのコスプレをすることもある。その結果、孤児院の男の子が手伝ってくれるようになり、応じてアニメのアクションショーを行うことも。
するとなるほど、そんな彼女に見覚えがあるのだろうか、小さい子が彼女を見つけて手を振った。
「いざとなれば魔法を使うし」
駅前広場に出る。乗り捨てられたパトカーは既に発見されてあり、周囲にパトカーが集まり、検分の最中。警官各人銃を手にしており、物々しいことこの上なし。
比してアニメコスプレは目立つので見られはしたが、疑われることは無かった。一般的な“隠れる・紛れる・逃げる”と真逆の行動であり、さもありなん。
通り過ぎる。とりあえずの関門突破。
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