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【魔法少女レムリアシリーズ】Baby Face-35-

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 図書館前に到着した。が、電話しながら中に入るのはちょっと。
 相手方電話口が変わった。
『Yes,Hello?』
 体格の良さを彷彿させる重心の低い男の声。
「メディアです。ジェフ列車長」
 対して相手は少し間があった。
『プリンセス!おお幻ではありますまいか我が栄光の姫君!』
 それは最早、懐かしさを感じる耳当たりの良いおべんちゃら。しかし、多分に本気に聞こえる。ただ、今は余計なやりとりは抜き。
「良く聞いて下さい。お約束通り、と言うか突然ですが、今すぐ、アムステルダム中央駅からアルフェラッツまで1本用意できますか?理由は聞かないで」
『え……あ、はい。プルマン車2両だけなら何とか。何人様でご利用ですか』
「私含めて二人です」
『判りました。今なら11時45分発のダイヤに押し込めるはずです。どちらにおいでですか?』
「アムステルダムの図書館。中央駅のそばです」
『判りました。ではこちらから図書館まで迎えをやらせます。この電話に掛ければよろしいですか?番号は表示されている……』
 相原の携帯電話の番号。
「はい、それで結構です」
 
 
 謝辞を言い終わる前に相原がレムリアの手を引いてその図書館へと入る。
 市内パトロールが始まったらしく、パトカーがそこここに見え始めたからである。
「この変身はいつまで持つんだい?時と共に解けると思ったが」
 観光地でもある図書館の閲覧コーナー。アニメ娘と秋葉原オタク。
 イヤでも目立つ組み合わせで。当然、じろじろ見られる。だが、逆にコソコソ隠れているという印象は完全に消えていた。
「De heer Anime Otaku. Neem samen een foto.(アニメオタクさん、写真を一緒に)」
「おーけーおーけーあいむおたく」
 写真を撮ったり。
 その前をパトカーが行き過ぎるが、気付いた様子は無い。
 

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