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2014年6月25日 (水)

ユカちゃんハテナ王国へ行く【4】

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「どうされました」
 馭者席ヒゲの男性が振り返り車室を覗く。騒ぎが気になったのだろう。
「下ろし……」
「何でも無い。急いでくれたまえ。姫は早くお帰りになりたいそうだ」
 執事みたいな男性はユカの口をふさいで言った。
 馭者さんが顔を前に戻してしまう。執事みたいな男性はユカの顔を正面からじろり。
「我慢もここまでです。これ以上お手向かいになるようでしたら、痛いことをしなくてはなりません」
 ユカは噛みつこうか、でかい声出そうかどっちかしてくれようと思ったが、その前に何だか頭がくらくらしてきて、考えるのが面倒になってしまった(興奮状態で口元をふさがれたので酸素不足に陥った)。
 てゆーか気持ちが悪い。誰か助けて。
 
 
 花の匂い。
 母さんがベランダで咲かせているバラの匂いだと気付く。
 変な夢。
「お加減如何ですか、姫」
 夢じゃない!
 ユカはガバッと起き上がった。白いドレスを着ている自分。絵本の挿絵みたいなベッド。
 それともまた夢?
「どうされました。セバスチャンはここにおりますぞ」
 あちこち見回すユカに聞こえるその声。
 ユカはいっぺんに思い出し。本当にセバスチャンと言うらしいその男性を指さした。
「人さらい!」
「何をおっしゃいます。まだお加減がよろしくないようですな。さ、これをお食べ下さい」
 セバスチャンは言い、ベッドの傍ら、鏡台に歩み寄り、上にある花瓶からバラの花を一本抜いた。
「それパパメイアン」
「よくご存じで。気分が落ち着きます。どうぞ」
 セバスチャンはパパメイアンというそのバラの花びらを一枚ちぎり……食べてみせた。
「は?何してんの?お腹壊すよ?」
 バッカじゃないの?と思いながらユカは言った。
「衛生管理は万全です。お忘れですか?本国の草本(そうほん)は全て食用可能で無毒です」
「は?」
 堅苦しい言葉だが、花食べてもいいらしいことは何となく判った。クサモトと書いてソウホンと読むのは図鑑で見た。
 

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