【魔法少女レムリアシリーズ】Baby Face-41-
ランチコースは以下のよう。突然なのでこの程度、とはジェフ氏の弁。駅構内レストランのテイクアウト。
・アボカドのサラダ
・子羊のローストにジャガイモ添え
・プチケーキチェリーソース掛け
・コーヒーとパンは好きなだけ
「君がようやく本当に姫様なんだと思えてきた」
コーヒーをゆっくりと飲みながら、相原はそう評した。応じたメシ食っている、そういう認識とレムリアは理解した。
レムリアは小さく笑うと同じくコーヒーを口にした。
「華奢で、小さくて、可愛かった、そして、何より一生懸命だった天使さん」
照れくさいはずの言葉の数々も、最早そうとは感じない。なお、天使さんとは最初に出会ったときの彼の感想。何せ彼女は天から船で降りて来た。さもありなん。
「一気にオレの年を追い越して女に、大人の女になった気がするよ」
「生理になったから?」
「その判断は任す。そうだな、これでいいんだ、そんな認識。自覚と言うべきかな、その結果が君を変えた気がする」
「だとしたら……」
レムリアはまず言った。そして、口にする確信。
「だとしたら、それはあなたのおかげ。あなたが自分にとってどんな存在か判ったから。ノロケになっちゃうね」
乗客2名、2両のみのプルマン列車は国境を越えた。ベルギーの平原を駆け抜けて行く。
これで、オランダ警察の追っ手が掛かることは無い。
ジェフ氏は隣の車輛、コンパートメント・スペースに座しており、見ない振り。
「いっぱいいろんなこと話そうと思ったのに」
レムリアは相原の目を見て言った。
決して美男子ハンサムでは無い。ただ、自分のことを世界最強に愛してくれていると言える存在。
「自然に出てくる範囲でいいじゃん。もう、幾らでも時間はあるんだ。しかし……ああ、少し寝るかい?」
「うん」
自分にまどろみが訪れたことを相原は察したようである。ゆっくり息を吸って、吐いたかどうかの記憶が無い。
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