【魔法少女レムリアシリーズ】Baby Face-42-
以下、暫くは列車長ジェフ氏と相原のやりとりである。なお、相原は海外関係会社を持つ企業に勤めることから、若干ではあるが英語が喋れる。対し列車長氏は国際列車を預かる立場上、英語は当然である。
まず関係から。距離も歳も遠く離れた二人だったが、将来を約束した。
今回背景は少女売買春と勘違いされ、立証するヒマは無いことから、逃げることにした。王女という身分は伏せて暮らしていたらしい。
一方、こちらに彼女が乗ったのはおおよそ2年前。
「その運転なら鉄道雑誌の海外ネタで見ました。オステンデからイスタンブールまで、元、ナントカ王国だった国と地域を通って流したとか」
「ええ、その途中コルキスまでご乗車になられたのです。その時確かに“もう一度王女の権限でチャーターを”とは承っておりました。それがこのような形で実現するとは」
「すいませんね熟慮する前に行動する娘で。いきなりオリエント急行1本貸せと言いだしたなんざ、過去にも未来にもおらんでしょう」
「いえいえ、私にはだからこそと思われるのです。実はその時、姫の機転をもってお客様をお一人、急病から救うことが出来たのです」
委細略すが、婦人が一人、心臓発作を起こして倒れ、彼女の応急処置の後、医療チームへ託した。
「なるほど。看護師ですからね」
「まだ当時のお客様からお手紙を頂戴します。あの時の姫君と旅を出来ないものかと。わたくしもあれほど印象深い旅は前にも過去にもありません」
相原は「うーん」とため息をし、
「週末はボランティアや慰問、3週に一度は海外で支援活動とか忙しい娘ですからね。こういう座席車でランチタイム、位なら可能でしょう。内容も金持ちの暇つぶしに付き合え、ならアレでしょうが、一人暮らしのお年寄りに楽しんで頂く、なら応じるでしょう。御社サロン車もお持ちですよね。ダンススペースも作れるような」
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