« ユカちゃんハテナ王国へ行く【12】 | トップページ | ユカちゃんハテナ王国へ行く【13】 »

2014年8月23日 (土)

【魔法少女レムリアシリーズ】Baby Face-43-

←前へ次へ→

 
「おや、お詳しい」
 ジェフ列車長は目を見開く。
「日本は鉄道趣味が盛んですから。でも、こいつがフレッシュドール号のプルマンで2両一組で運転が基本、程度しか知りませんよ。こんな、“とれいん・ど・るくせ・ふぁすと・くらっせ”に乗ってていいのか、とさっきからヒヤヒヤです」
 ジェフは笑って、
「いえいえフィアンセさんは紳士です。あの、よろしければ、姫もおやすみのことですし、車内ご案内しましょうか?」
「それは嬉しい。是非」
 とれいん・ど・るくせ。これはTrain de luxeで、豪華列車の意味である。航空機発達以前、国際時刻表「トーマス・クック」では、前の方のページに豪華国際列車をまず掲載していた。フレッシュドール号もそこにあった。
 フレッシュドールは黄金の矢、を意味するフランス語である。パリからドーバーを渡船連絡し、ロンドンまで走った英仏間急行のフランス側呼称だ。イギリス側列車は当然英語のゴールデン・アロー(Golden Arrow)として走る。今乗るこのプルマン車はフレッシュドール用として建造されたもので、中央の通路を挟んで2人向かい合わせのソファテーブルが左右に並ぶ。他に間仕切りされた4人用のコンパートメント室がある。厨房付きの車輛と無しの車輛2両一組で運用され、定員はそれぞれ24名(付き)、32名(無し)である。細かく書けばキリが無いが、床にはカーペットが敷かれ、壁はマホガニー。窓間には寄せ木細工がはめ込まれている。コンパートメントとの間仕切りはガラスパネルで彫刻がされており、デザインにはルネ・ラリックらが参加。
 総じて走るホテルロビーそのものであり、ふぁすと・くらっせ(First Classe:1等車)を称するに相応しく、チャーター列車に乗車するにせよ応じた費用は必要。一介のサラリーマンに過ぎない相原が気圧されるのはある意味当然である。
 

|

« ユカちゃんハテナ王国へ行く【12】 | トップページ | ユカちゃんハテナ王国へ行く【13】 »

小説」カテゴリの記事

小説・魔法少女レムリアシリーズ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【魔法少女レムリアシリーズ】Baby Face-43-:

« ユカちゃんハテナ王国へ行く【12】 | トップページ | ユカちゃんハテナ王国へ行く【13】 »