【魔法少女レムリアシリーズ】Baby Face-46-
「何って、我が家を養い会社に貢献。するとほら、家族個々の状況が抜けるだろ。社会の縮図なんだよ。特に日本の場合、家庭内の役割分担で妻が担う仕事の方が多い。ウチもそうだったけど、父親は土日へたばって朝からゴロゴロって多いよ」
「自己管理が出来てないんじゃん」
相原は笑って。
「ごもっとも。でもね、全てを会社に捧げるとも言う。逆に言うとね、妻がそれだけ負担してくれてるから、余力を会社に使えた。それが今の日本を組み立てたとも言える」
「歪んでる風に見えるよ」
「それで正しいよ。歪みが常識だと歪んでいると気付かないのさ。いいよ。君は君のままに動きなさい。必要なことだ。ただ……普通に中学校に通うことになるぞ。何せ日本で結婚できるのは16歳からだからね。通信制にするかい?」
「ううん。制服着て通うよ。ちょっと憧れだったし日本の女子の制服。しかし、そうすると私どういう身分で日本滞在しよう」
「留学扱いで就学ビザでいいのと違うかい?公式実務訪問は大げさだろうし」
公式実務訪問とは、“外国の元首、王族、行政府の長あるいはこれに準ずる者が実務を主たる目的として訪日すること”を言う日本側の法律用語で、要は“仕事による来日”である。
「まぁ法的側面は後で調べりゃいい」
「了解。わぁ堅苦しい話しちゃった。婚約してすぐする話ってこういう内容?って、あなたに訊いてもしょうがないか」
「一般大衆がそうなのかはワカランが、どこに住むのか、食って行けるのか、そういう話は否が応でもしなくちゃならんだろうし、そういう現実問題クリアして結婚しようぜが普通だろう」
「私とのことで考えた?」
「給与水準は問題無いから住む場所だけだな。自宅から通ってるけど社宅借りても構わんし。それは……ずっと考えてたと言っておくか」
「ずっと……」
レムリアは驚いた。知り合った時点、彼は学生だったはずだが。
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