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ユカちゃんハテナ王国へ行く【15】

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 はてのくに、今はハテナ王国。
 過去、その出入り口だったところは、入ると行方不明になる。だから禁足地。
 例えばお寺の裏手。
「竜宮城のお話は知ってる?」
 姫はユカに聞いた。
「うん」
 ユカは予想が付いた。出てくる海底の不思議な国はここだ。
「ここでしょ?」
「そう。馬車に乗って何にもぶつからなかったでしょ。水の底に潜っても同じよ。亀って書いてあるのはあの馬車。当時は水の底にあったの。ひところ海の水が増えたことがあってね。その後水が引いて地上に出てきたの」
 縄文の頃、千葉から茨城は広く海底であり、弥生時代以降は湿地帯、そして陸地へと変わっていった。現在の霞ヶ浦は海の名残。
 と、そこでユカは怖くなった。竜宮城は過ごしている間に何百年も経っていた。
「え、じゃぁ。私がここにずっといると?」
「時間の進み方は変わらない。ただ、ここにいて、ここのモノを食べ続けると、歳を取らない。ずっと青春。そして、だから、『成長』しない。私243歳。信じられる?。ここにいるみんなもそう。ずっと昔から、ずっとこのまま。増えもせず、減りもせず。みんなここで生まれ育ったわけじゃ無い、そうやって時代時代で繋がった中つ国から紛れ込んだ客人(まろうど)。最も、多くの人は記憶を無くしているけどね。あまりに長すぎて。私もだけど」
「姫様!もう、あの、大概に……」
「いいじゃない!どうせ彼女にしか分からないんだし。それに、だから来るな、って言えるでしょ?ここは地獄よ。だから私たちは、あなた方中つ国の皆さんに来てはいけないと言わなきゃならない。はてのくには、あなたの星から来た異邦の支配下に入ってしまった。この者たちは私たちを管理しようとする。愚かだから何をするか分からないと言ってね。だから管理しようとする。その大義名分のために人民を愚かなままとしようとする」
 

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