【魔法少女レムリアシリーズ】Baby Face-49-
“月は誰にでも見ることが出来る。月は誰をもそっと見つめる。そんな気持ちを知った時、初めて一人前と言える”……親に言われたこと。
この気持ちは、その認識は。
月の力が我が身に宿った。文字通り、月経と共に。イコール、逆に魔法は月の位相から解放(作者註:月に左右される立場が心から体へ入れ替わったらしい)。
「おめでとう、と言っておけばいいかな?」
「ありがとう」
そして、列車は夜を迎える。途中の駅で食材を手にしたシェフ数名が乗り込んで来、二人きりのためにディナー。
フレンチフルコース。
「これの前に二人で食った晩飯は“もんじゃ”なんだぜ」
「いいじゃん。ねぇ、もんじゃウチで作ってよ」
「ウチって君んち。……待て、アルフェラッツ王室でってことか?」
「テーブルに鉄板は用意できると思う」
「そういう問題じゃなくて」
「家族、になるんだし」
すると、相原は小さく笑った。
「承知した。買い物して帰らないとな」
ワイン代わりのグレープジュース。
フレンチのコースは少しずつ間を置いて料理が出てくる。
話題が無いと間延びして感じるが、逆ならそうでも無い。なお、二人の思い出話であり、委細は略す。
「逆に訊くけどさ」
相原はデザートとコーヒーが出てくる間を持って、言った。
「ん?」
「君はいつから俺のこと意識してたのさ」
「さぁ」
率直な答え。
「さぁ、て」
「強引に押しかけて、ヤバかったかなぁって気になって会いに行って、また強引に押しかけて、大切にしてもらって、今度は誘われて、それから会うのが当たり前になって、半分生活がそっちに移って、一緒に過ごす時間が長くなって、一緒に過ごしたいんだと判って、一緒になることを約束しました。さてドコで区別付けますか?」
レムリアは指折り数え、笑顔で訊いた。
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