【魔法少女レムリアシリーズ】Baby Face-50-
「野暮を訊いた」
「別にいいよ。恋ってしたこと無いから。ああ、これだなって正直判らなかったもん」
「でも告白されたことはあるんだろ?いつぞや横浜からはるばる自転車漕いできた男の子いたじゃん。お前さんほどの美少女がモーション掛けられへんとは思えん」
レムリアは少し胸が痛んだ。その彼は、それこそ相原の目の前で、自分に“振られた”ことになるからだ。
「彼の場合、率直に思ったのは、彼にあなたと同じ対応は無理だろうなって」
「まぁ。普通、いちゃいちゃベタベタしたいもんだな。男ってのは。それこそちゅーして脱がして押し倒す」
「そう。でもそこへ電話かが掛かってくる。どこにセックスの最中地球の裏から人命救助に呼び出される女の子がいますかって話。しかもそんなことを繰り返す。人格として好きとか嫌いとか以前にそれ耐えろってムリでしょ。だから、他の男の子もね。傷つけただろうなと思ったよ。でも今思うのは、なるべくしてなったんだよな、って」
「俺も意図してそういう風にしたわけじゃ無いもんな。なっちゃった、だからな」
「不思議だね。魔女が言うセリフじゃ無いけど」
「むしろ魔法じゃね?求められてこうなってるならむしろ光栄だわ。工学系会社員の言うセリフじゃ無いけど」
二人は笑顔を交わした。
大丈夫、二人やって行けるし、もう離れない。
ディナーが終わったついでにジェフ氏に訊かれる。
「アルフェラッツ到着は明早朝になりそうですが、いかがでしょう、そちらコンパートメントスペースに椅子集めて仮の寝台作れますが。毛布も多少ありますし、暖房はいくらでも掛けられますから仮眠程度なら」
「じゃぁ彼女はそれで」
「だーめ、一緒に寝て」
レムリアは両手を伸ばした。
抱いて、って奴だ。凄いこと言っていると自覚してるが、
この腕の中にいて体温感じていたい。
それが一番安心できるから。
「As you wish(仰せのままに)」
ジェフ氏は胸に手をした。
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