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2014年10月25日 (土)

【魔法少女レムリアシリーズ】Baby Face-52-

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 珍しい列車は城壁内部で気付いた衆目を集めていたが、降り立った客が彼女と知るや、恭しい会釈が返り、人々は散るように去った。日本で皇族方が市中にお出まし、となると数多携帯電話のカメラが向けられ、となるが、比してかなり雰囲気が異なると書いて良い。
 改札はさながら牢屋の鉄柵と扉である。国境でもあるから当然だが物々しい雰囲気は否めない。改札係員が彼女の姿に制服姿で直立不動。
「この方はわたくしの客人です。諸手続は城内で行います」
「御意」
 しかし言葉の割には目に軽侮。相原はそれがよくある“有色人種への目線”であることに気付く。
 駅前へ出る。石畳の車寄せロータリーになっている。中央部に芝の植わった噴水。但し、時節柄、芝は枯れ草色。
 道は相原見渡す限り石畳であり、無粋なアスファルトの色はない。メインストリートはゆるく右に曲がりつ上り勾配を描いて伸びる。その道の広々と、視界をぐるりと囲む城壁の圧迫感。
 建造物はレンガに漆喰、スイスの山里という風情。まぁ地勢上も近く、外れた観測ではあるまい。高層建築は見当たらず、いずれも3階建て未満。城壁を考慮した景観保護からの高さ制限だろうか。
 相原はまとわる視線に気付く。係員と同じく異邦人に対する目線であり、特段超感覚の類いを持たぬでも判る。遠巻きする彼らの肌の色は白く、瞳はブラウン、髪は金或いは赤。欧州系と書いて良く、対しレムリアの外見体格はアジアそのもの。ここで王家と言われても違和感の方が強い。末期エジプト王朝がマケドニアやローマの影響を受けていたのに近いが、類例であるモンゴル大帝国の残滓であろうか。
 人々が歩道を空けたので歩き出す。
「国家国体はこの中だけ。人口1200。主な産業はスイスとかその辺の精密加工の下請け、魔法グッズ。国外への出稼ぎ労働も当然多い。まぁ、王家養って行ける状況でも時代でもないよ」
 

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