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【魔法少女レムリアシリーズ】Baby Face-56-

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 正装、であろう、熟年の男女がそこにあった。
 白いレース生地のドレスに王冠の女性。
 燕尾服で頭髪がロマンスグレーの男性。
 顔立ちはアジア人として親近感が持てる系統。但し、肌の色自体はコーカソイドに近い。
 以下、都度彼女の通訳が入るが、全て日本語で記す。
「こちらは相原学さん」
 レムリアはまず相原を紹介し、そのまま。
「先に言うけど拝跪の礼とかやめてね。私の両親です。まず母親。122代クイーン・オブ・アルフェラッツ。コーマ・サダールメリック・アルフェラッツ」
 アルフェラッツは古代日本の邪馬台国、エジプト王朝と同じく女系である。女王が君主となる。女王の正式な名前スペルはComa Sadalmelik Alpheratz.称号は「境界線上の幸運」。
「父です」
 ゲンマ・メリディアーナ・アルフェラッツGemma Meridiana Alpheratz.称号は「南天の真珠王」
 ちなみにレムリア自身はMedia Borealis Alpheratz.称号は「極光の花冠」。
「相原学です。日本から参りました」
 相原学は頭を下げた。両手指をスーツのスラックス折り目に沿って真っ直ぐ伸ばし、腰を折る。純日本式“お辞儀”である。
「沢山、娘から伺っています。今回はトラブルに巻き込まれたとか。娘のために申し訳ありません」
 女王は目を閉じ、会釈ふうに頭を下げた。
「いえ、自分がもう少し早くたどり着いていれば……」
「ああ、そうだった」
 相原の言葉を遮ってレムリアは言い、両の手を合わせてパチンと鳴らした。
「パスポート貸して」
「ああ、そうですね。まぁ、迎賓の間へお進み下さい」
 繊手で示された迎賓の間。玄関より入り左手。一般的に王宮での歓待、迎賓としてイメージするのは晩餐会が開かれる大広間でろうが、アルフェラッツのそれはこぢんまりという表現が適切である。白いクロスのテーブル一つ。椅子の数で言えば、女王夫妻の座する背もたれの高い大きな椅子が並び、以外に左右の辺に2脚ずつ。夫妻の対向側には配されない。

(つづく)

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