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【理絵子の夜話】新たな自分を見つける会-09-

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 当初この宅を訪れた意図目的と乖離していることは承知。だが、結局、北村由佳の心理を知るにはその中枢に入り込むより術はあるまい。
 トンカツと白飯登場。
「あら、見つける会に入ってくださるの?」
 母君がジージー音立つカツの皿を置いて尋ねる。
「いえ、入るというか、そんな心変わるならちょっと覗いてみたいと思った程度で」
 予防線は張っておく。
「もちろんかまわないわ。兄様(あにさま)に話しておきますね。日曜学校の後なの。9時からで、場所は……」
 
 
 日曜朝、田島綾が教会を訪れると、バンと勢いよくドアが開けられ、子供達がキャッキャ言いながら飛び出してきたところ。
 住宅街の真ん中。傍目には民家である。表札の下に小さく教会である旨書いてあるだけで、意識しなければそうと判らない。
「あ、知らない人」
「おねーちゃん新しい人?」
 口さがない子供達の物言いにコラ!との声が奥からあり。
 大人が二名と女学生が一名。大人は北村由佳の母親、及びポロシャツの紳士。
 学生は北村由佳。休日だが制服セーラーなのは礼儀か敬意か。
「あのあたし……」
 胸元手にして服装を意識させる。私服そのもの。スカートにセーター。今日びスカートを常用する女の子は珍しいと言われることもあるが、ジーンズは足の動きを制約するというのが正直。
 理絵子とお出かけなど良くするが、ほっそりの割にムネもある理絵子がスカート派なので、自分の体格的ボロは出したくない。
 ……意識させられるコンプレックス。
「気にしないで、気分的なもんだから。兄様(あにさま)、お話しした田島さんです」
「どうも」
 紳士に頭を下げられる。名を名乗り牧師だと言った。どうもどうも初めまして。
 

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