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【理絵子の夜話】新たな自分を見つける会-13-

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 田島綾は言葉を失った。理絵子の心理行動人格を否定する向きが無いではない。いい子ぶりっこだ、エラそうだ。成績優秀をカサに着て見下してるように感じる。ムカついてる奴は多いけど親が警官だから手を出さないだけ……。
 ただいずれも“やっかみ”で理解できる。比してこの人たちの物言いは違う。
 異質というか、妙。言いがかりに近い。従い反論はたやすいが……聞くだけ聞いてみようか。
「と、言いますと?」
「あなたには必要の無い情報だ、とその彼女は判断したわけですよね」
「ええ恐らくは」
 そりゃそうだ。自分だって、ぶっちゃけ、この北村由佳がどうなろうと知ったこっちゃ無い。どころか、そんな話を持ってこられても困る。
「それは、つまり、あなたを値踏みしている、ということになるのではないですか?学級委員という立場を使って情報を集約するだけして、されど再配分にはコントロールを加える。それが親友に対して取るべき行動でしょうか。現に、私たちは、今ここで、私たちの全てをシェアしています。彼女はあなたに北村由佳姉の話をした。それに対し、彼女はあなたの見解を伺うなどの価値は無い、自分一人で十分だ、そう判断したのでしょう。傲岸という言葉が最もふさわしいような気がしますがどうでしょう」
 開いた口がふさがらない。が、逆に、北村由佳の底意、この母子に覚える違和感の本質を垣間見た気がした。
 それが当然で本来だ、という確信、信念、当然意識。
 それこそ、他ならぬ、自分たちが認識している傲岸不遜なのではないか。
 ……イエスキリストさん、ここ、本当の教会?それとも、これが普通?
「どうも、考え方にずれがあるようですね」
 田島綾はどうにかそれだけ言った。
 

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