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【理絵子の夜話】新たな自分を見つける会-14-

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「ずれ?いいえ、明確に間違いです。私たちは、神様を介し、全て魂が繋がっているのです。イエス様が証(あかし)していらっしゃいます。すなわち、どのみち判ること。それを遮るなど、神様やイエス様に対して楯突く行為そのもの、恐るべき心理に他なりません」
 信仰同じくするお互いを姉様兄様と呼び合う……それはこの魂の繋がりに基づく物言いである。
 だが、何か違う、田島綾は思った。その概念に何か別の物を上乗せしてすり替えようとしている。それは端的には理絵子を否定されたことへの反発、に起因するのかも知れぬ。
 が、何故か確信がある。この連中はおかしい。この本質の周辺を引きずり回されて誤魔化されている感じ。ああそう、理絵子はそんな思わせぶり、勿体ぶった物言いはしない。正しいなら、なぜ、そんな遠回りする必要がある。
 りえぼー聞こえる?。私間違ってる?
「田島、さん」
 黙していた牧師が呼びかけた。
「はい?」
 疑心暗鬼。声に表情に出たであろう。しかし仕方ない。
「ああ何という目をなさっている。私たちは今、あなたの心に住む悪魔を呼び出しました。感じていますね。それがあなたの心にいつの間にか住んでいた悪魔そのものです。そのまま滅却します。さぁ皆さん田島さんを押さえて。悪魔が彼女を操り暴れさせようとしています」
 その時、笑顔が次々すっくと立ち上がりながら、
 笑顔ニコニコで立ち上がりながら、
 笑顔が、しかし、強奪の手指の形で自分に迫り来、次いで囲まれる。
 この恐怖心。襲われる。田島綾は答えを出した。
 こいつらは異常だ。
「りえぼー!」
 田島綾は叫んだ。
 もう一度、と思った瞬間口をふさがれる。
 が、諦めない。ハミングの発音でんーんーと声を、音を出し、そして心で呼ぶ。
 

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